茅ヶ崎と平塚の消防本部が10月8日、相模川河口付近の海域で4年ぶりに合同水難救助訓練を行った。
共に相模湾や相模川を抱える両市は水難事故に対応するため、それぞれ水難救助隊を配備し、有事の際には両市が相互に連携することで、迅速な救助体制を確立できるようにしている。市内では過去5年間に平均で10件の水難事故が発生しているが、今年7月に相模川河口付近で両市が協力して対応する事案が5件発生したことから、両消防の連携強化を目的に合同訓練が行われることになった。
今回の訓練には茅ヶ崎市消防本部から指揮小隊・海岸小隊・鶴嶺小隊、平塚市消防本部から指揮隊・海岸消防水難救助隊・本署第二小隊の計43人が参加。現場指揮本部の設置から相互連絡、要救助者の救出・搬送までをシミュレートした。
情報の伝達が鍵
茅ヶ崎と平塚の合同水難救助訓練は、相模川河口付近の海上とその周辺を舞台に行われた。
訓練の想定は、海上を江ノ島方向へ航行していた2人乗りの水上オートバイとプレジャーボートが衝突し、多数の要救助者が発生したというもの。119番通報を受けた茅ヶ崎市消防本部が現場近くの柳島に現場指揮本部を設置。双眼鏡で現場の状況を確認してホワイトボードに地形や要救助者の人数、風速、波の高さ、潮の流れなどを書き込みながら、情報を逐次消防本部に伝達した。茅ヶ崎の海岸出張所と鶴嶺出張所、応援要請を受け平塚から出発した水上オートバイ3台と救命ボート1台が現場に急行し、心肺停止状態の要救助者3人を速度のある水上オートバイで平塚新港へ、軽傷者を救命ボートで茅ヶ崎漁港へと搬送した。
連携 密に
要救助者を救急車の待つ平塚新港へ搬送する訓練は今回が初めて。現場の判断で「救助現場から少しでも近い平塚新港へ運びたい」と指揮本部へ要請があり、指揮本部が救急車の手配など平塚側に確認をとった。
茅ヶ崎の現場指揮本部で指揮者を務めた警備第一課長の伊藤勝一さん(58)は「自然相手の訓練は、現場でいかに情報を収集し、迅速に各ポジションに伝達できるかが重要。要救助者の救命・救出が第一だが、2次被害を防ぐことも大切になる。今回の訓練を通じて平塚との連携体制を一層強化し、本番でも落ち着いて状況の把握や救助活動ができるように訓練していきたい」と話した。
水難事故について茅ヶ崎市消防本部は「身近に海がある茅ヶ崎ではマリンレジャーやスポーツが盛んだが、危険な場所や状況は様々にある。それらをきちんと把握して、少しでも危ないと感じたらその日の入水は避けるなど、安全に海を楽しんでほしい」と注意を呼びかけている。
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