2018年の年頭を飾る企画として、タウンニュース茅ヶ崎編集室では服部信明茅ヶ崎市長に新春インタビューを行った。開発事業や姉妹都市交流、少子高齢化などをテーマに、まちづくりの方針や重点施策、新年の抱負などについての考えを聞いた。
(聞き手/茅ヶ崎編集室 鈴木健太郎)
――あけましておめでとうございます。まずは昨年を振り返って頂けますか
「あけましておめでとうございます。17年度は限られた財源の中で効率的かつ効果的に事務事業を実施していくため、市民の皆様との協働、民間活力の導入を積極的に推進するなど、これまで以上に経営感覚を持って市民サービスの充実を図ってまいりました。
昨年4月には、誰もがいつまでも健康で安心して暮らせる地域づくりを進めるための拠点となる『茅ヶ崎市保健所』を開設しました。この施設を十二分に活用し、地域の実情に合わせたきめ細やかなサービスを市民の皆様に提供することで、地域保健・公衆衛生のさらなる向上を目指します。
また、昨年10月には市制施行70周年を迎えました。『まだ70年、これからも進化する茅ヶ崎!』をキャッチフレーズとして、様々な記念事業等を実施する中で、市民の皆様とともに茅ヶ崎の魅力をあらためて確かめ合い、将来に向けての茅ヶ崎を描くことに繋がったと思います。この70年の間、本当に多くの先人の方々のご努力によって今の茅ヶ崎があるのだと思います。キャッチフレーズにある通り、これからも進化する茅ヶ崎となるために、市民の皆様のご協力のもと、このまちの魅力を最大限に活かし、さらに多くの方に親しまれ、愛される茅ヶ崎を目指して取り組んでまいります」
進む公共施設整備
――公共施設の整備が進んでいますが、それぞれの進捗状況などはいかがですか。まず今年整備が完了する施設からお願いします
「2年前より建設を進めてまいりました『柳島スポーツ公園』は、いよいよ3月25日(日)にオープンします。この事業は相模川流域の安全確保を目指して国が行う築堤事業に協力するため、相模川河畔スポーツ公園の移転に伴い行ったものです。本市初のPFI事業であり、民間のノウハウを生かしながら、市民の誰もが身近にスポーツに親しむことができるきっかけづくりに繋がることを期待しています。オープン当日には多くの皆様にご来場いただき、関心を持っていただけるような開園記念イベントを実施して、公園の魅力をアピールします。
耐震補強・改修工事中の『茅ヶ崎市民文化会館』は、10月にリニューアルオープンします。1階にサブエントランス設置と事務所移設、ホールの座席幅拡大と車いす席増設、ロビーの段差解消やミニホールの新設などを行います。次世代の文化・芸術の振興拠点として生まれ変わる文化会館を楽しみにしていてください」
――市民も心待ちにしていると思います。では来年以降にオープンする施設についても教えてください
「文化資料館は設備の老朽化と耐震性に課題があることから堤地区に新たに整備し、収蔵資料と博物館の機能を移転。旧和田家・旧三橋家と一体的に管理・運営する『(仮称)茅ヶ崎市歴史文化交流館』として整備する事業を進めています。市民の財産であり文化財である収蔵資料を次世代に継承していくとともに、自然や歴史・文化について知り、学ぶことができる市の博物館となるよう事業を進めます。
『道の駅』につきましては2019年7月のオープンを目指して、昨年から用地取得に向け具体的に各地権者様と交渉させていただき、本年3月までに用地取得を完了することを目指しています。また、今年は用地取得と並行して一昨年から行っている施設の詳細設計を行い、用地取得が完了次第、整備工事の準備に入ります。ソフト面でも管理運営手法等を決定するなど、オープンに向けて本格的に動き出す重要な期間となっています。
『(仮称)茅ヶ崎公園体験学習施設』は19年1月に開館します。これは公共施設整備・再編計画に基づき、施設の安全性に課題があった旧海岸青少年会館と福祉会館に代わる新たな施設として整備を進めているものです。様々な体験や学習を通じて子どもからお年寄りまでが出会い、学び、楽しみ、仲間をつくるなど、あらゆる世代がふれあい、活動することができる市民の憩いの場となることを目指し準備を進めていきます。
財政が厳しい中なぜという意見もいただきますが、いずれも既存施設や地域の抱える課題を解決し、市民生活の安全・安心を守るために必要なこととして整備を進めています
「活力あるまち」を目指して
――姉妹都市交流についてはいかがですか
「昨年はホノルル市・郡と姉妹都市を締結して3年を迎え、9月末には茅ヶ崎市制施行70周年のお祝いにカーク・コールドウェル市長が本市へお越しくださいました。その際には小学校訪問をはじめ、記念モニュメント除幕式や市役所での歓迎式典などにもご出席いただき、今後の両市の交流を前進させる機会とすることができました。
また、昨年秋には新たな交流として、ホノルル美術館所蔵の貴重なヴィンテージハワイアンキルトの展覧会を茅ヶ崎市美術館で開催し、市内外から大変多くの方に訪れていただきました。
本年は、姉妹都市交流の大きな目的の一つでもある子どもたちの交流事業を本格的にスタートします。3月に市内在住の小学4・5年生をホノルル市・郡に派遣し、現地の小学生と交流していただくとともに、姉妹都市の自然や文化、歴史なども学んできていただきます。また2018年度中にはホノルル市・郡から子どもたちを受け入れ交流事業を行う予定です」
――子どもたちにとっても良い経験になりそうですね。一方で待機児童の問題があります
「共働き世帯の増加等による社会情勢の変化で、保育需要が年々増加しています。保育園の待機児童対策としては、16年9月に『新たな待機児童解消対策』を定めてスピード感を持って対策に取り組んだ結果、17年4月の待機児童を大幅に減少させることができました。18年も保育所や小規模保育事業の整備、認定こども園への移行促進、保育コンシェルジュによる効果的な入園調整の取り組みを継続しつつ、潜在的な保育ニーズへの対応も視野に入れた多様な対策を進めます。また、子育て家庭の経済的負担を軽減し、安心して子育てのできる環境づくりを推進するため、4月から小児医療費助成の対象を、通院については小学6年生まで拡大します」
――待機児童数は改善傾向にあるようですね
「はい。ですがその先には学童保育の問題もあります。こちらについても結果を出していきたい。今後も明日の茅ヶ崎を担う子どもたちが健やかに育つことができる子育て環境づくりに全力で取り組みます」
――高齢者対策は?
「団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を見据え、高齢者が住み慣れた地域で生活を継続できるように『地域包括ケアシステム』の構築に取り組んでいます。18年度からの3か年を計画期間とする第7期茅ヶ崎市高齢者福祉計画・介護保険事業計画では自立支援、重度化防止に向けて介護予防の充実に努めるほか、地域の支え合いの力と連携した包括支援体制作りに取り組み、地域包括ケアシステムの深化・推進を図ります」
――最後に市民の皆様に新年のメッセージをお願いします
「茅ヶ崎市が70周年を無事に迎えられたのも、先人の方々のたゆまぬご努力の賜物であり、深く敬意を表し感謝を申し上げます。今後も進化し続けるまちとして、市民の皆様が誇れるようなまちとするために、様々な世代が住みやすい快適な都市環境と豊富な人材を生かした活力あるまちづくりに取り組んでまいります。
本年も市民の皆様にとりまして素晴らしい年となりますよう祈念いたします」
――本日はありがとうございました
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