茅ヶ崎市は2月14日、市議会議員対象の全員協議会で「令和元年台風第19号」(以下台風19号)への対応の検証結果を発表した。「対策が十分ではなかった」という認識を示すと共に、「風水害を想定した災害対策本部運営訓練」を今年8月に初実施するなど今後のスケジュールを提示した。
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検証は、災害対応部局や福祉関係部局が検証チームを設置したほか、会議や職員アンケートなどを通して行われた。
台風19号は昨年10月12日に日本に上陸。同日午後3時頃に、相模川の上流にある城山ダムで午後5時から緊急放流が行われる可能性が示されたことから、市は相模川周辺の浸水想定区域を対象に避難指示を発令した。
これに伴い多数の避難者が生じ、当初開設した公立小中学校32校の避難所では対応できず、市は県立高校や民間企業など2次避難所を開設。最終的に避難者は、東日本大震災時の4倍強となる8760人に達した。
風水害想定訓練を初実施
城山ダム放流を受けて行動した避難者のなかには、市が2次避難所を設置する前の企業に訪れた人や、相模川の洪水浸水想定区域内の避難所に避難した人もいたという。対応が後手になったことについて、市危機管理課担当者は「事前にダムの放流などの状況まで想定しきれなかった部分があった」と説明する。
また避難行動要支援者への対応や、ペットの受け入れ場所での対応などに苦慮するなど、運営面での課題も見えてきた。
「最悪事態」を徹底
今後はダム放流の影響分析や、避難範囲の見直しなどを実施。市民生活に最も影響が及ぼされる「最悪事態」を職員間で共有しつつ、対応を徹底していくとしている。
また、より先行的な避難所の開設や、防災無線だけでなくメールやツイッターなどさまざまな方法を駆使した複合的な呼びかけを強化する必要性を示している。
具体的には4月に職員研修を行うことで知識と意識の向上を狙うほか、8月には市で初めてとなる風水害を想定した災害対策本部運営訓練(図上訓練)を予定。11月に訓練の検証会も行い、体制を強化していく考えだ。
市民への呼びかけも
庁内の体制づくりと並行して行うのが「地域連携」。要支援者の把握や訓練を含めて、市と地域が連携して住民の避難を支援できるよう連携体制を構築していく。
さらに市民が自主的に避難行動を開始できるよう、啓発にも力を入れる。台風19号時は、市が発令する避難情報の意味や、段階に応じたとるべき行動について周知ができていなかったことから、避難訓練や講演会などさまざまな機会で知らせていく。そのほか、洪水が想定される時の行動手順となる「マイ・タイムライン」の作成支援を続ける。担当者は「災害時に突然避難を呼びかけても適切な行動は難しい。日頃から啓発をしていきたい」と話す。
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