6月30日にワークショップを開催する「ネパールとの架け橋 ねぱるぱ」の代表 永田 恵子さん 室田在住 60歳
「少女の手に届くまで」
○…「マネー、マネー」。50歳の時、仕事や子育てから手が離れ、世界の子どもに目を向けようと行ったグアテマラ。その食堂で出会った少女が忘れられない。「生まれる場所が違うだけで、食べる人と、それを眺める人に分かれる。何で?」。物乞いする子どもにお金や物を与えるのではなく、「子どもが働かなくていい時代を築きたい」。その思いを胸に現在、公平な貿易・フェアトレードの仕組み作りをする団体「ねぱるぱ」の代表として奔走する。
○…初めて海外に行ったのは35歳。印刷会社に長年務め、身体を崩したことと、娘の後押しがきっかけだった。思い切った選択に思えるが、「それだけ弱っていたってこと」。自然な流れだったと話す。当時小学6年だった娘を連れてデンマークへ。52カ国から人が集まるインターナショナル・ピープルズ・カレッジに通った。この海外での経験によって、人生の選択肢が一気に広がったという。
○…「世界の子どもを支援するといっても何をしたらいいか分からなかった」。そんな時に参加した講演で、ネパールのパルパ郡で生活しながら支援する垣見一雅さんと出会い、パルパ郡への支援が始まった。最初は命に直結する「水」を支援。水場が村にあると病気が減り、命が助かる。水汲みから開放されれば、子どもが学校へ通うことも叶う。日本で寄付を募り、3年間かけて2カ所分の支援金を集めた。既に1つ目の水場は完成。しかし、ここで活動の原点に戻って考えた。「この水はあの少女の手に届くだろうか」
○…水場の支援が、「フェアトレード」の仕組み作り、「ねぱるぱ」の活動につながっている。目標は、1年以内にパルパ郡から輸入したコーヒーを茅ヶ崎のカフェで楽しむこと。生産量や品質の向上、周知するためのイベント開催…。課題は山積するが一歩一歩進める。いつか公平な貿易が世界に広がり、「あの時の少女の手に届くように」と。
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