茅ヶ崎市で初となる椎茸で新規就農を目指す 藤原 修さん 香川在住 59歳
会社員から農業家へ
○…円筒形の菌床に椎茸の菌や栄養剤などを交ぜ、ビニールハウスで育てる菌床栽培。茅ヶ崎市では初となる「椎茸栽培の新規就農者」を目指す。「無農薬の安全な椎茸を誰よりもまず茅ヶ崎の皆さんに食べて欲しい」。昨年までは電機系システム設計を行う会社員だった。インターネットでこの栽培に興味を持ち、「農業をやろう」と熟慮の末退職を決意。現在、9月からのスタートに向け準備を整えている。
○…秋田県生まれ。国鉄に勤めた父、母、兄の4人家族。プラモデルが大好きで、ゼロ戦や戦艦を作るプラモデル少年だった。小中高と地元の学校に通い、部活では軟式テニスで汗を流した。明治大学工学部進学を機に上京し就職後、友人の勧めで茅ヶ崎に。寒川にも7年、東海岸にも5年住んだ。「実家も海の近くで似ているんです。自宅や畑から見る富士山も好き」
○…現在10年以上住む香川に妻と息子の3人で暮らす。26年経ったこの地での暮らしも感慨一入だ。「妻に農業話をした時は不安そうでした。でも私の曲げない性格を知っているし、今は一番の理解者になってくれています」。息子も背中を押してくれたと少し控えめな照れ笑いを見せる。最愛の妻とは同郷。二人で日本各地を旅行することが趣味だったが、しばらくは椎茸栽培でおあずけだ。
○…会社に勤めながら栃木や群馬へ勉強の為何度も足を運んだ。市や県にも相談し、海老名の農家でも栽培のノウハウを学んだ。「できれば将来的にシステムで管理し、菌床自体を作るところからしてみたい」。穏やかな表情の中にもロジカルな思考がある。「首都圏に少ない椎茸農家」、「1カ月程度で収穫可能な菌床栽培の安定した生産」に可能性を感じた。西久保の畑で栽培し、早ければ年内に「わいわい市」など直売所での販売を視野にいれる。遅咲きの農業家は、茅ヶ崎の食卓に自分の椎茸が並ぶ日を夢に見ている。
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