主催する「絵本とおはなし会」が200回を迎えた 長谷川静子さん 長谷川書店ネスパ店店長 元町在住
本で子どもの心豊かに
○…「こんなに続くとは思っていませんでした。必要としてくれる方や引き受けて下さる講師の方など皆様のおかげです」。17年前に企画した読みきかせ「絵本とおはなし会」がこのほど200回を迎えた。「本に親しんでもらいたい」。台風に見舞われた回も、東日本大震災で街から人の姿が減った時も、毎月第3火曜日に開催を続けてきたのは、楽しみに待っている子どもたちの笑顔のため。
○…当時、学校や学級崩壊などが話題となり、子どもを取り巻く環境は決して良いものではなかった。そんな時「本から学ぶことはたくさんある。児童書は質が高いから読み継がれ、人の心を打つんだ」と会を企画。ボランティアの協力のもとおはなし会を開催した。今では店で高校生が「『ぐりとぐら』知ってるよ」などの会話を耳にしては温かい気持ちになる。また幼少期に参加した子どもが受験の合格報告に来てくれたことも。「嬉しいですね。皆立派になられて。それに本が身近にある環境を作られたご家庭も素晴らしい」と感極まり、涙を浮かべた。一方で最近の少年犯罪などを憂い「今までの活動が正しかったのか疑問に思うこともある」とうつむく。
○…茅ヶ崎生まれ、茅ヶ崎育ち。家業の長谷川書店を継ぐことは元々頭になく、大学卒業後は政府系の金融機関に勤務。1992年のネスパ店開店を機に店長となった。今は小説よりも歴史や経済の本を読むことが多い。「難しくて途中で寝てしまうことも。床に読みかけの本が山積みになっている。それをまた読み返す。いつでも手にとる事ができて、時代を遡って何度でも読める。これが本の魅力です」と目を細める。
○…「新しい作家さんやボランティアさん、学生さんやNPOなどと一緒に本の魅力を伝えていきたいですね」。質の高い書店を目指し20数年、これからも地域との繋がりを強め、茅ヶ崎の人と文化を育てる活動を続けていく。
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