茅ヶ崎の轍(わだち) 第43回(後編) 道編「水道みちと山下の道」 協力/茅ヶ崎市文化資料館
「山下の道」は、高田1丁目から室田小の南まで、現在は暗きょになっている相模川左岸用水路に沿った道です。この道と大山街道との間にはかつて砂丘が続き、高いところでは20mを越す山王山と呼ばれた小山があったので「山下の道」と呼ばれます。
そのころの道は田んぼと同じ高さで、今より2m位低いところを通っていました。室田小の南の辺りに清水が湧き出て細い川となり、田んぼへ流れていました。明治・大正世代の人の中には、夏の下校時にその冷たい水の小川で遊んだ思い出があるそうです。
「山下の道」に沿った左岸用水路は1940(昭和15)年3月に完成しました。用水路は田んぼより高く、「山下の道」もそれに従って高くなり、広く真直ぐな道となりました。清水が湧き出るところは埋められ、細い川も消滅しました。
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茅ヶ崎に水を引く2つの工事は、上水道が地域発展の基礎となり、相模川左岸用水路は天水に頼っていた農家を水の心配から解放し食糧生産・供給の安定に役立ちました。工事に伴って造られた2つの道は、子どもたちにも安心や楽しみを与えてくれました。
【参考文献/茅ヶ崎市史】
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