7月10日付で藤沢税務署の署長に就任した 五十里(いかり) 秀一朗さん 第74代署長 56歳
一生関わる税のために
○…藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町を管轄し、個人納税者数は東京国税局管内84税務署の中でも5本指に入る藤沢税務署。その顔としての1歩を踏み出した。「海があり、農地もある自然豊かな場所。署内も若い職員が多く、活気がある」と印象を語る。「税は生まれてから死ぬまで関わるもの。正しく申告してもらうために、税の知識普及に努めたい」
○…富山県出身。富山湾越しに立山連峰を望む地で育った。「海が好きで、釣りや海水浴によく出かけた」という子ども時代。神奈川での勤務は初めてだが、「海のあるところに来られてよかった」と湘南に親しみを感じている。「五十里」という珍しい苗字は、富山県の一部に多いと言い、「京都から50里だから」と気さくにそのルーツを語る。
○…親類に公務員がいたことから自然な流れで高校卒業後、東京国税局へ入局。麹町署に勤務する傍ら夜間大学へ通った。国税局での勤務が長いが、うち10年間は大規模法人の税務調査に従事。「どの法人もコンプライアンスが高く、同じ過ちは繰り返さない。その中で新たな問題点をどう指摘し、適正化していくか」に知恵を絞った。「調査の方法をチームで検討するのは勉強になった」と話す。40代前半には2年間、警視庁に出向。警部として大規模詐欺などの捜査に関わり、犯罪で得た金の流れを追った。「24時間警察手帳を持っているのは大変だった」と苦笑いするが、「貴重な経験だった」と振り返る。
○…2017年1月以降、確定申告にはマイナンバーの記載が必要になる。「e-Tax」を使うと利便性やセキュリティ面などで納税者、税務署双方にメリットは多いが、いまだ浸透しきれていない部分もある。「国税庁のホームページには質問形式で自分が相続税の対象か分かるものなど、さまざまなツールがあるので、興味を持って見てほしい」。生活を支える税への理解を、先頭に立って呼びかけていく。
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