高校生ものづくりコンテスト関東大会の木材加工部門で優勝した 中里 拓深(たくみ)さん 今宿在住 17歳
「父の技術と心、継ぐために」
○…「強豪校揃いの関東で勝てて嬉しい。11月の全国では関東代表として出場するので気負いもある」。高校生が「ものづくり」の技術を競う大会の木材加工部門で、神奈川県勢として初優勝の快挙を成し遂げた。「今は全国優勝を目指し練習に燃えている。本気でぶつかって良い成績を出したい」と先を見据える。
○…県立神奈川工業高校建設科(横浜市神奈川区)3年生。ノミやカンナを手に大工仕事を学び技術を身に付けている。技能検定「2級建築大工技能士」取得にも取り組み2年の冬に見事合格。その合格者の中から校内で今回の県大会出場者に選ばれ勝ち進んだ。「大会前に学校の安田光志先生や同級生が毎日夜遅くまで練習に付き合ってくれたおかげで楽しくできた。感謝しかない」と目を輝かせる。
○…神輿や提灯の製作・修復工房「茅ヶ崎 神輿康」を営む父のもとで育った。「神輿が家の中にあるのが日常の風景で、祭りや神輿を担ぐのが大好きになった」。幼い頃から器用だった手先を生かして絵を描いたり、中学では吹奏楽部でトロンボーンを担当。その傍ら中3の頃から、繁忙期となる夏から秋にかけて、自然と父の仕事を手伝うように。細かな部分まで拘りを持つ父からも今では”黙々と手を抜かずにやっている。頼りにしている”と言われるまでになった。その後、一時は普通科高校進学を考えたが「技術を身に付けたい」と工業高校を志望した。
○…趣味はバンドでベースを演奏したり、デコトラならぬ”デコ自転車”を自作したことも。「何でも練習して、作り出すのが好き。バイクや車いじりもしたい」と茶目っ気たっぷりの笑顔を見せるが、高校卒業後は「神輿の飾りを作る彫刻家に弟子入りする」ときっぱり。「彫刻の技術を身に付けて一端でできるようになったら、父の作った神輿に自分の彫刻を施したい。父の大好きな『神輿』の仕事を絶やさぬよう、継いでいきたい」と力強く誓った。
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