タウン レポート 目指すはニューイヤー駅伝 平塚市役所陸上競技部
平塚市役所陸上競技部が先月、山北町の丹沢湖周辺コースで行われた「第64回県実業団駅伝競走大会」で2位と健闘。今回で大会7連覇を果たした県内の強豪、プレス工業にあと1歩のところまで迫った。ここ数年で「王者」と戦えるまでに力をつけた同部の裏側を取材した。
大切なのは
“チーム力”
元日にTV放映される全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)に、2年連続出場の実績を持つプレス工業。平塚市役所陸上部は今回、その神奈川王者をレース終盤まで苦しめ、最終5区にトップで襷(たすき)を繋ぐなど健闘を見せた。
36年前に創設され、「走りを楽しむ」という色合いが濃かった同部に競技志向が強まったのは、現監督の市川豊さんが採用された平成2年以降だという。チーム力は次第に高まり、市内実業団対抗駅伝で優勝の常連に。一度は県実業団駅伝で優勝も果たす。
その後、休部中だった当時全国区の日産車体陸上部が復活、選手強化を行っていたプレス工業も台頭する。一方、世代交代や新戦力が増えない状況が続く市役所はチーム力が低下し、毎年出場していた東日本実業団対抗駅伝競走大会も欠場を余儀なくされた。役所の通常業務をこなす傍ら練習メニューを組み、部員50人の連絡役といった雑用もこなす市川監督の負担も大きかった。
2年前、全国高校駅伝や箱根駅伝出場経験を持つ最年長選手の横山貴臣さんが、「選手兼コーチ」として手を上げた。チーム再生の瞬間だった。「あの時はチーム目標が明確ではなく、個々の競技の延長に駅伝があった」と横山コーチは分析する。今は目標を駅伝に定め、短い距離のインターバル走を多めに取り入れるなど練習メニューを駅伝専用に。目標が明確になったことで週2回の合同練習に参加するメンバーも増え、「チーム自体に活気が戻った」と市川監督は目を細める。
昨年、数年振りに出場した東日本実業団駅伝は18位。「ニューイヤー駅伝出場枠の14位にはタイム的にまだまだ」と横山コーチは話すが、今回県内の強豪、プレス工業に迫る走りを見せたことで、現実の目標として見えてきた。「個々の課題は多いけど、駅伝はチーム競技。勢いやレース展開によっては、可能性もあると思う」と続ける。
元日、年に一度の晴れ舞台に「平塚市役所」の文字が映し出される日は近いかもしれない。
年に1度行われている夏合宿の様子
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