タウンレポート 手作り積み木で被災地にエール 建築現場の廃材を活用
積み木に応援メッセージ宮城と湘南 広がる交流の輪
「震災を受けた東北のために何かできることはないか」市内中堂在住の建築士、大垣明弘さん(38)らが運営する「モッタイ材ドットコム」が、湘南の子供たちと共に材木の端材で作った積み木で被災地に元気を届けるというユニークな取り組みを行っている。
建築現場で働く大垣さんは、いつも大量に捨てられている端材を何かに活かせないかと思案していた。そこで約1年前、友人の荏原理成さんと共に、使わない木材等をネット販売するサイト「モッタイ材ドットコム」を立ち上げた。現在は同業者から端材の提供を受けている。
こうした中で、東日本大震災が発生。自分たちにできることは何かと考えた結果が「積木プロジェクト」だった。端材で作った三角形の積み木に、地元の子供たちに応援メッセージを書いてもらい、被災地へ送るという趣向だ。
手始めに小学5年生の娘が通う市立松原小学校の先生に協力してもらい、積み木300個を制作。子供たちは「心は一つ!」などの応援メッセージやキャラクターのイラストを心を込めて書いた。また、茅ヶ崎の小学校や大垣さんの勤め先である「峯村ホーム」等でもワークショップを開催。心のこもった積み木が次々と出来上がっていった。
そして4月下旬には、宮城県に住む荏原さんの知人の伝手で、石巻市と東松島市に積み木を1000個ずつ持っていくことができた。被災地では「殺伐としている場所で、こうしたおもちゃが届くとほっとする」と喜ばれたそう。さらに、石巻市長からは「こちらの子供たちにもメッセージを書いてもらうので、無地の積み木を送ってほしい」と要請があり、継続的な交流の提案があった。
その後、松原小学校でビデオ報告会を開催。今月3日には被災地に無地の積み木と共に、新たに自己紹介などを書いた新しい積み木を届け、同時に向こうの子供たちのメッセージが書かれた積み木を持ち帰ってくる予定。「今後は積み木を通して、子供たち同士の交流が深まれば」と大垣さんは期待を寄せる。
夏休みには、メッセージを書いた湘南の子供たちをバスで被災地に連れて行く計画も出ている。積み木メッセージを通して顔を知らない子供同士が実際に交流の輪を広めていくことになりそうだ。
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