高校生の進路決める材料に
将来就きたい職業や今後の進路を考える材料にしてもらおうと、県立平塚江南高校で、PTA主催のユニークなキャリア教育支援が行われている。PTAの保護者や同窓生数名がパネリストとなり、今の職に就いた経緯や、仕事のやりがいなどを高校生に紹介するというものだ。
先月17日、江南高校の視聴覚室。高校生の前で仕事について語った保護者は、エンジニアや旅行代理店、中学校教諭といった生徒からの志望の多い「人気職」をはじめ、土地家屋調査士や自衛隊歯科医官といった生徒には耳慣れない珍しい職種も。また、同窓生で平塚市長の落合克宏さんも壇上に立った。それぞれが自身の仕事観について語り、約100人の生徒が熱心に聞き入った。
旅行代理店勤務の門松秀則さんは、「旅行業というのは幅広く、結婚式やお葬式のプロデュースをしたこともある」という仕事の意外な一面を紹介すれば、エンジニアの高松健史さんは「これからの製造業は、拠点を中国やインドに移す動きが加速する。技術者は道も舗装されていない国に行くこともあるので、強い体と心を鍛えて」とアドバイス。
中学校教師の木村一彦さんは教員になるまでの過程を紹介し、土地家屋調査士の鈴木貴志さんは「満足できるような仕事に就いて欲しい。自分の職に誇りを持てることは幸福だ」と、仕事観を語った。
また、海上自衛隊歯科医官の伊藤雅宏さんも自衛隊呉病院から駆けつけ、インド洋の給油活動やソマリア沖の海賊対処行動で洋上にあった経験を臨場感たっぷりに紹介した。
市長の落合克宏さんは「政治は社会のありようを作る仕事。自分が主体となって国や地域を動かしたいという人がいたら、チャレンジして」と呼びかけた。
こうしたPTA主催のキャリア教育支援は、今回で2回目。PTAでは、講師となってもらえる保護者を手紙で募集する一方、生徒から集めた進路希望のアンケートも参考にしながら、パネリストの人選をしたという。
PTA会長の山田透さんは「学校でも著名人や卒業生を招いた講演会を開いていたが、もっと幅広く職業を知ってもらうため、PTAとして協力できることを考えた。理系・文系の選択や進学先を決める前に、高校生という早い段階で職業を知ることは必要だ。毎年続けていきたい」と話す。
江南高校の遠藤誠副校長は「生徒からも仕事の中味が具体的によく分かったという声があり、とても参考になったようだ。貴重な機会でありがたい」と語る。
同窓会でもOBから講師協力してくれる人を登録する「助っ人バンク」を立ち上げ、今回は落合市長を推薦した。学校やPTA、同窓会が連携し、今後も特色あるキャリア教育が広がっていきそうだ。
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