身近な"生き物の宝庫" 馬入水辺の楽校
環境学習の拠点に
自然と人とがふれあう場を設けようと、国土交通省のプロジェクトで始まった「水辺の楽校」。全国に200以上ある中で、平塚にも「馬入水辺の楽校」として、7ヘクタールもの自然を湛えた遊び場が広がる。相模川下流沿い、馬入お花畑北側に位置する”自然のワンダーランド”は、土手から見下ろした限りでは想像がつかないような、たくさんの生き物が生息している。
青々と草木が両脇に生い茂る自然観察路を進むと、目の前を何かが横切る。アカテガニだ。両手のはさみをあげ、ゆっくりと横断していく姿が、ここでは当たり前のように見られる。
「さっさと歩こうと思っても、いろいろなものに気をとられる。そういう場所」と話すのは、馬入水辺の楽校の会・会長の臼井勝之さん。他にも、ノウサギ、タヌキ、キジなども見られ、夜になればスズムシやカンタンなど、鳴く虫の合唱を聞くことができるという。オギやアシハラなどの草地では、カヤネズミが巣を作る。「子育ての時期だから注意が必要」と言いながら、そっと見つけて指差してくれた。見渡す限りの緑から顔をのぞかせる風車は、同校のシンボル的存在だ。
かつてこの地は、不法投棄や不法耕作も行われていた荒れ地だった。自然環境を取り戻し、自然に触れる機会を増やそうと、市が国土交通省のプロジェクトに参画する形で2001年に同校を開校。以来、エコアップ活動や環境教育活動に努める同会は、自然解説パネルの設置やイベント開催を通じ、広く啓蒙し続けている。現在、会員は120人余り。臼井会長は、「休日には様々な団体が何かしらの環境学習活動を展開している。そんな水辺の楽校になることを望んでいます」と話す。
8月26日には、「探そう!馬入ふれあい公園の虫たち」と題し、自由に虫を捕って観察するイベントが開かれる。10時〜16時半までで、参加は自由(小学生は保護者同伴)。帽子、飲み物、防虫スプレー、虫アミ、カゴを持参。当日は同会も協力し、カヤネズミの観察会(15時30分〜16時30分、先着20人)と夕べの観察会(17時30分〜19時30分、先着10人)も行われる。問い合わせは馬入ふれあい公園管理事務所【電話】0463・25・0011。
臼井会長は「水辺の楽校は公園と違って、草ぼうぼうで、でこぼこしていたり、川や池があったりで、危ない所もあります」と、自己責任で遊ぶ場であることを強調しながら、「ここは生き物の宝庫。自然とのふれあいを楽しんでほしい」と力を込めた。同会への問い合わせは平塚市役所みどり公園水辺課【電話】0463・23・1111(内線2621)。
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