地元住民の史跡案内も
漁業の盛んな須賀の魅力を体感してもらおうと、まちあるきイベント「須賀さんぽ」が10日に行われた。本紙記者も参加者に同行し、相模湾の玄関口を歩いた。
須賀さんぽは、市民・大学交流事業の一環として、市商業観光課と神奈川大学の学生が協力し、周辺の下見や住民との話し合いを通じて散策ポイントを選定した。案内役は、須賀の郷土史研究団体「須賀史談会」の清田宰宏会長(79)らが務めた。
午前9時、平塚新港に夫婦や子ども連れの親子、友人同士など、年齢も様々な約40人の参加者が集まった。
まちあるきのスタートは、遊漁船「豊漁丸」での相模湾クルージング。5人の子どもと参加した石井勝宏さん(45)は「船に乗ったのは初めて。子どもも良い思い出になったのでは」と満足そうだ。
帰港後は千石河岸のしらす直売場「丸八丸」で、しらすの釜茹でなどを見学した。
「9月の台風以前は水揚げが芳しくなかった。今日の漁はまずまずかな」と話すのは、主人の杉山武さん(52)。漁獲量は気候条件に左右されるため、豊漁の日もあれば茶碗一杯の水揚げに泣かされることも。加工風景を一般公開することも多く「地産地消を守り続ける、漁師の姿を知ってもらう良い機会だ」と、笑顔で参加者を見送った。
昼食はもちろん海の幸。漁師鍋と地元の水産加工業者が用意したサンマやアジ、サバなどの干物が振る舞われ、漁港ならではの食事で腹ごしらえも万全だ。
午後は史談会の案内で、平塚八景に選ばれる湘南潮来や、須賀港を見下ろす港稲荷神社、長楽寺、乗蓮寺、海宝寺などの古刹を訪ねた。和菓子店や魚屋などにも立ち寄り、70代の女性参加者は「たくさんお買い物ができて満足です。須賀には初めて来ましたが、とても良い所ですね」と、ほくほく顔で帰路に就いた。
史談会の清田会長は「多くの人に須賀の魅力を伝えられるよう、ガイドとしての説明を勉強しないと」と、まちあるきを地域おこしに繋げようと力が入る。市商業観光課は「相模縦貫道の開通後は、市外からの観光客も見込める。地元住民や大学と連携を強め、平塚の海をPRする機会を増やしたい」と話した。
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