神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

マイク1本「今」を歌う ひらつか観光特使 野間井耀世さん

公開:2013年1月1日

  • X
  • LINE
  • hatena
野間井耀世さん
野間井耀世さん

 リズミカルに言葉を紡ぐラップ・ミュージックに魅せられ、アーティストネームの「MC妖精」として日本語ラップを歌う野間井耀世さん(平塚農業高校3年)。テレビ番組出演を機に、平塚をネタにしたユーモア溢れるリリック(歌詞)が話題を呼ぶなど、独自の感性でヒップホップの可能性を探っている。

 ―平塚名物七夕まつり この日ばかりはドタバタまくり/クラスの半分囲碁教室へGO クラスに1人オヤジ横浜ゴム

 野間井さんのラップには、平塚市民ならニヤリとしてしまうような単語が躍る。「こういう曲なら、ヒップホップを知らない人にも聴いてもらえると思って」と、ご当地ラップを表現方法の1つに取り入れた。

 ―地元の顔じゃんラオシャンラーメン/「ゾロ」にぞろぞろ大盛りもりもり コーンスープが飲み放題

 創作の源泉は、自身の日常生活にあるという。「田舎でも都会でもない、平塚って絶妙なバランスを保ってるなって思うんです。湘南平とか海とか、自然にも恵まれてる。僕は霧降の滝が大好きで、小さい頃はしょっちゅう遊びに行っていました。探検気分で楽しいし、景色もすごく綺麗なんですよ」と、平塚のことを話し出すと表情が輝く。

 野間井さんがラップを始めたのは昨年1月。「友達から、ICE CUBE(80〜90年代に活躍したアメリカ人ラッパー)に顔が似ていると言われたのがきっかけ。見よう見まねで練習して、即興で歌を作り出す面白さを知りました」という。今は平塚や都内のクラブイベントに出演し、精力的なライブ活動でラップの腕を磨く。

 震災直後に書き上げた処女作「Pray For Japan」では、被災地への思いをリリックにつづった。普段なら気恥しくて口にできない言葉も、ラップなら自然に表現できた。「お金がなくて募金する余裕もなかった。自分にできることといったら、震災を忘れないように曲を作ることくらいだから」と振り返る。

 幼稚園から小学6年生までピアノを習い、中学校では吹奏楽部でバリトンサックスを担当。挫折はしたが、ギターにも挑戦した。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の大ファンを公言するなど、無類の音楽好き。ヒップホップの枠にとらわれず、興味を持てば手出しをせずにはいられない性格だ。

 昨年は、ラッパーとしての音楽活動に転機が訪れた年だった。平塚をネタにしたラップがテレビ番組で紹介されたことがきっかけで、番組演出として平塚市から観光特使に任命された。市制80周年の記念ラップを制作するという大役も任され、目下創作活動に励む。

 「平塚を知らない人にも、まちの魅力が伝わるような歌を作りたい。あと、戦争で空襲被害にあった歴史も取り入れたいんです。戦争のことなんて、ラップに出会わなかったら考えもしなかったと思う。高校生のうちにしか書けないようなリリックで、今感じていることを素直に表現できたら」と野間井さん。平塚へのとめどない愛情を、マイク1本でリスナーに届ける。
 

平塚・大磯・二宮・中井版のローカルニュース最新6

春休みに地震火山地質を探検

春休みに地震火山地質を探検

ひらつか防災まちづくりの会主催 

2月18日

日本画家の井出文洋屏風展

日本画家の井出文洋屏風展

2月24日まで 旧大隈重信別邸の大広間で

2月17日

1年の活動を写真や作品で紹介

湘南いきもの楽校

1年の活動を写真や作品で紹介

 23日と24日 まちなかベースきちきちで

2月15日

紅谷しんしく会が特別賞

かながわ商店街大賞

紅谷しんしく会が特別賞

「昭和」残し景観改善

2月14日

リレーで劇的優勝

湘南ひらつかライフセービングクラブ

リレーで劇的優勝

1秒未満の僅差で

2月14日

遺児支援 物語で残す

大磯在住新橋さん

遺児支援 物語で残す

小説を自費出版

2月14日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 2月14日0:00更新

  • 2月7日0:00更新

  • 1月31日0:00更新

平塚・大磯・二宮・中井版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2025年2月18日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

X

Facebook