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新春企業レポート 「出会い」で伸ばす企業力 (株)三興 地域の「いいもの」見つけて発信
出会いの数だけ商機が生まれる――。そんなそろばんを弾いてもよさそうなものだが、出会いづくりそのものを楽しんでいる節がある。市内の設備・建築会社、(株)三興(吉川正行社長)のことだ。地元で頑張るスポーツ選手を紹介されては応援ツアーを敢行し、ユニークな芸術家と知り合えばワークショップの場に社屋を開放する。七夕まつりに市民発表のステージを設営するのも毎年の恒例行事だ。年間を通じ、同社を訪れる人は数知れず。多くの出会いを生んでいる。
人の輪の可能性を実感
東海道本通り沿いにある(株)三興の社屋。その1階に「カフェ」と称したラウンジがある。ここは本来、リフォーム相談などに来るお客さんや、次の現場の打ち合わせをする職人さん、建築・設備商材を扱う営業マンらを接客する場所だった。
その接客場に異変が起きたのは数年前。スポーツ選手が試合結果を報告しに来たり、地元の芸術家が個展の打ち合わせに来たり。ボランティア活動をする大学生やダンスチームの代表者など、社業とはおよそ縁遠い人の訪問が増えている。
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実に多彩な顔ぶれの集まる磁力を会社に帯びさせた犯人が、住宅リフォーム部門を統括する吉川裕之専務。「営業はセールスの場ではなく、出会いの場」が口癖で、根っからの人間好き。営業手法もユニークで、楽しみながらリフォームについて知ってもらうイベントを通じて集客し、とにかく出会いを広げていく。
「当社の顧客を増やす手段ではありますが、色んな職業や人生観を持つ方の話を聞ける絶好の機会。営業の参考にもなるし、何より私や社員の人生勉強にもなる」と、出会いが生む効果を語る。
顔の見える関係が広がるにつれ、リフォームの業績も伸びた。人の輪が生む可能性を実感した。
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「色んな人が反響しあえば、大きな力が生まれるはず。会社のためではなくとも、地域にとって『それいいね』と思えるような話であったら、どんどん前に進めた」と、裕之専務は笑う。実行力の伴うアイデアマンで、とにかく考えながら走るタイプだ。
気がつけば、地元スポーツ選手への応援や、芸術活動の支援、地域活性化に取り組む大学生のサポートなど、地域の中で企業の果たすべき社会貢献的な活動がユニークな形で広がった。
三興ステージ出会いの原点
七夕まつり期間中、会社の駐車場にステージを作り、地元の音楽家やダンスチームを招くという「三興まつり」は、昨年で9年目を迎えた。地域に賑わいを呼び寄せようと、裕之専務の発案で始まった催しだ。
観覧する近隣住民も年々増え、出演者も活躍の場を毎年心待ちにする。昨年は近隣介護施設の高齢者も訪れ、拍手して七夕気分を楽しむ姿も。来場者が増えたからと、昨年初めて周辺商店のガイドマップを配布。来場者と地元の商店の橋渡しをする試みも行った。
地域でキラリと光る隠れた「逸材」を掘り起こして市民に紹介するという、同社の出会いづくりの原点ともいえるまつりである。
アスリートの応援呼びかけ
「逸材」の掘り起こしは地元スポーツにも及ぶ。選手には遠征費など資金協力もするが、試合観戦ツアーを企画するなど、地元への応援の呼びかけが基本だ。横断幕に市民のメッセージを書き込んで試合中に広げるなど、温かくユーモラスな支援関係を築いている。
現在スポンサー協力しているのは、格闘家の尾崎圭司選手や、スノーボーダーの渡部亮選手、フリースタイルスキーでソチ五輪を目指す大久保亜弥選手、元女子バレー五輪選手でペタンク日本代表の大川千穂選手など、地元の面々。
尾崎選手は「地元からの応援は何よりも心強い。故郷を誇りに戦う気持ちが芽生えた」と話す。
アート活動発信拠点に
地元プロスポーツ選手の存在を世に広めるため、市内の似顔絵師、一寸木幸平さんと「アスリート似顔絵展」も昨年初開催した。同社の応援する選手や湘南ベルマーレ選手の似顔絵が並び、来場も上々だった。
一寸木さんとは「35フェスタ」と称したワークショップも企画。数人の芸術家を招き、市民と交流する場を創出した。同社2階の展示場は、今後もコミュニティーサロンとして、作品の展示会や文化教室に活用するという。裕之専務は「当社が文化発信の拠点になれば。これも出会いづくりの形のひとつ」と胸を張る。
防災井戸で地域に涼感
出会いの場の創出に一役買ったのが、東日本大震災を機に社屋の裏に増設した防災用井戸。正行社長の発案で、災害時は地域住民に役立ててもらうという。
井戸水を吸い上げて社屋の軒から噴霧するミスト装置も設置。地域の子供が井戸で水遊びをする姿もあり、夏場に涼を提供した。
正行社長は「喜んでくれる方も多く、防災に関心を示す人も増えた。水質検査も優良で安心して使っていただける」と目尻を下げる。
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消費者が安心して購入できる企業を選ぶモノサシとして、CSR(Corporate social responsibility)という言葉が持てはやされているように、企業が社会的責任や社会貢献に取り組む機運が高まっている。
「そんな堅苦しい話ではありません。お金をかけなくても、出会いとアイデア、そして実行力があれば、地域と会社が喜ぶことがどんどん広がりそう」と、裕之専務は語っていた。
■取材協力/(株)三興【電話】0463・35・3535/平塚市平塚2―1―11/HP「三興 リフォーム」で検索
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