より多くの市民へ電子書籍の配布も
県内の自治体が昨年1年間に発行した広報の出来栄えを表彰する「神奈川県広報コンクール」の一枚写真の部で、広報ひらつか(8月3日号)が最優秀に選ばれた。組み写真の部と広報紙の部でも佳作に入選し、広報・情報政策課職員は「第三者に評価していただき大変嬉しい」と受賞を喜んでいる。最優秀の写真は、「全国広報コンクール」に推薦される。
最優秀に選ばれたのは、家庭で母の介護を行う娘と看護師の姿を捉えた1枚。笑顔の看護師が母の歯を磨く様子を、少し離れて娘が見守る。高齢者福祉をテーマにした特集の表紙として、介護現場に身を置く人の苦労や優しさを生き生きと切り取った。
撮影したのは、同課広報担当の菅原香織さん。「介護という重いテーマでしたが、家族の絆や柔らかい雰囲気から、介護は決して辛いことばかりじゃないんだと伝えたかった」と話す。
組み写真の部では、市内和菓子店の商品を見開きで紹介した2月3日号が佳作を受賞。菅原さんが1つひとつ撮影し、和菓子の華やかさを伝えようとレイアウトも工夫した。広報紙の部で佳作となった5月4日号は、かつてきゅうりの産地だった平塚で盛んに作られていた「相模半白節成(さがみはんじろふしなり)」に光を当て、生産農家や復活への取り組みを追った。
広報ひらつかは毎月第1・3金曜日に発行しており、発行2ヵ月前の編集会議で特集のアイデアを出し合う。第1金曜日号で扱う特集が、菅原さんの担当だ。取材や写真撮影、原稿作成、構成まで手がける中で、紙面の顔となる1面写真には強いこだわりがある。「これだけ大きな写真を載せるので、余計なものが写らないよう構図には特に気を使います」。
菅原さんは08年に下水道総務課から異動し、広報の製作に携わるようになった。
取材経験はもちろん、一眼レフカメラを持ったこともなかったが「色々なことにチャレンジさせてもらえるのでやりがいは大きい。市民の方から反響があると特に嬉しいです」と充実感をにじませる。先輩職員にアドバイスを受けたり、他の自治体広報やフリーペーパーに目を通したりと、読みやすい紙面づくりにも余念がない。山下浩一課長は「彼女は良い感性を持っている。他の広報と比べても、平塚の広報は目に留まるものがあると自負しています」と信頼を寄せる。
市内の全世帯に届けられるよう、3年前に配布方法を新聞折込からポスティングに切り替えた。スマートフォンからも読める電子書籍版の配信を開始するなど、より多くの人に読んでもらえる環境づくりにも取り組んでいる。来年2月には創刊から1000号を迎える予定。節目の紙面製作に向け、課を挙げて特集企画を模索中だ。
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