市職員「郷土意識高めるきっかけに」
平塚市は6日、静岡県伊豆市と友好都市提携を結んだ。落合克宏市長は締結式で「(自然や文化など)平塚市が享受できる交流が出来れば」と語り、青少年の健全育成をはじめ、経済や文化への波及効果に期待をのぞかせた。平塚市は岐阜県高山市や岩手県花巻市とも友好都市提携を結んでおり、これまで平塚市民が両市の自然や文化に触れる機会を創出。両市も物産展や観光誘致など、経済効果も見込んだ交流を続けている。
友好都市で最も歴史が古いのは高山市。1982年に提携が結ばれた。1087年に平塚八幡宮の御分霊が高山市の櫻ケ岡八幡神社にまつられた縁があるとされ、平塚市制50周年を機に市民に友好都市の相手先を募ったところ、白羽の矢が立った。
当時の行政資料は高山の魅力について、「後背地に乗鞍高原、北アルプス、飛騨山脈等の雄大な山岳系大自然があり、本市の海浜性と対照的」「奥飛騨温泉郷、下呂温泉、白川郷の休養地がある」などと記す。
花巻市との交流も1982年、「平塚市民休養の郷」に指定することで始まった。友好都市の提携はその2年後、84年に締結された。市交流親善課によると、「休養の郷」の選定候補は当時、他に10カ所程度あったというが、「自然が豊富で人情味豊か。宮沢賢治ゆかりの地という文化的な資質も大きな魅力だったのでは」と話す。
両市とはこれまで、青少年交流や観光ツアーで互いの土地を行き来するほか、市内で開く物産展などを通じて交流を育んできた。
花巻市は、友好都市提携10周年記念で同市内に「平塚・花巻交流の森」というキャンプ場を整備。平塚の子どもが毎年8月、地元児童とキャンプを楽しみ、宮沢賢治記念館やわんこそば大会なども訪問する。冬は高山の子どもと触れ合うスキー体験ツアーも組まれ、どちらも毎回、定員の2〜3倍を超える募集が寄せられる好評ぶりだ。
海のない高山や花巻の子どもは隔年で、漁船クルーズや海水浴を楽しむマリンツアーで市内を訪問。昨年はしらす漁に偶然立会い、振舞われたしらすの味に子どもが目を丸くしたという。
また、高山市や花巻市の物産展も年3回、市内で開催される。高山市の担当職員は「出店募集すると、二つ返事で応じてくれる。売上の立つ商機と捉えているのでは。物産が関東首都圏で販売できる魅力もあるし、観光地としての良さも伝えられる」と、経済効果にも触れた。
花巻市担当職員は「震災後は物資や募金だけでなく、平塚市民から見舞いの連絡もいただいた。友好都市ならではで、心強かった」と話す。平塚市の職員も「平塚にないものを持っている都市との提携は、市民が相手の文化や歴史を知ることを通じ、自分の郷土意識を高めるきっかけにもなる」と、友好都市の意義を語っていた。
平塚版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>