「空埋める姿」再現の動きも
湘南ひらつか七夕まつり(7月5日〜7日開催)を間近に控え、まつりで一番の主役となる竹飾りの制作が、今年も佳境に入っている。企業や店舗が派手さを競い合う迫力満点の商店飾りや、市民団体がボランティアで手作りする市民飾りが完成を待つ一方、往時の飾りの数を取り戻そうという草の根の動きも見られている。
「飾りは毎年、世相反映や商店の要望などを踏まえて考えている。武将や日本昔話にちなんだ絵柄は定番で、アニメーションも子どもに喜ばれる」
約40年、パールロードを埋める商店飾りをほぼ全て、請け負っている谷地工務店(南豊田)の谷地和夫社長は話す。今年も十五、六店舗分の飾りを10本以上作る予定で、会社脇の作業場に組み立て中の飾りがずらり。谷地社長は今年も力作に自信をのぞかせる。
紅谷町の公営立体駐車場は毎年、高層階が市民飾りの制作場として開放される。市民飾りは、経済状況などから減りつつあった商店飾りを補完する存在として、10年ほど前に登場した。
作り手は、市民団体や学生などの「素人」。飾り作りには重量をはじめ安全面への配慮も不可欠だが、そうしたノウハウを作り手に指導しているのが、ボランティア団体の「湘南七夕の会」(江澤憲一会長)だ。
同会の根岸理裕さんは飾り作りを熟知する一人。今年も30本の市民飾りの制作を見守る。「8割以上の掲出団体が昨年と同じ顔ぶれ。見るだけの七夕から作り手になり、また違う楽しさがあるのでは」と話す。
谷地社長や根岸さんは、空が見えないほど竹飾りで埋まった「最盛期」を知る存在。谷地社長は「商店が競い合うように飾りを出していた」と懐かしむ。根岸さんは「市民飾りをこれ以上増やすには、担い手が必要。しかし、時間的に拘束されるので、なり手を探すのは現実的に難しい」と課題を感じている。
メイン通りの湘南スターモールは、最大で95本前後の飾りが出せるが、昨年掲出されたのは74本だった。そんな中、飾りを増やそうという動きもある。
平塚青年会議所は今年、七夕期間中の見附台広場への出店を飲食店主らに呼びかけ、20店舗から各5万円の協賛金を集めた。この資金で、スターモールに3本の竹飾りを掲出するという。
七夕まつり実行委員会(福澤正人委員長)でも今年初めて、「七夕飾り掲出促進対策委員会」を設置。市内企業などに個別訪問で働きかけ、スターモールの飾りを10本近く増やした。同対策委員長で平塚商工会議所青年部の小林誠さんは「何年かかるか分からないが、空いっぱいの飾りを取り戻したい」と話していた。
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