知事「あらゆる力を結集」
神縄・国府津―松田断層帯でマグニチュード7・5の地震が発生、まちでは家屋倒壊や、土砂崩れによる道路の寸断、バスの横転事故が続発する――。そんな想定で21日、平塚市と神奈川県主催の合同総合防災訓練「ビッグレスキューかながわ」が市内で行われた。
ビッグレスキューは自治体と自衛隊、医療組織の連携や地域防災力を強化するための訓練で、昨年は横須賀市で実施され、今年は2回目。
訓練会場の湘南海岸公園(高浜台)は、倒壊家屋の模型や横転したバス、道をふさぐ瓦礫の山といった舞台が臨場感たっぷりに用意。負傷者役の市民が車両や家屋の中で「救助」を待った。
震災発生直後に動いたのは、住民による自主防災組織や消防団。公的救助を待たず、避難誘導と情報収集、救出班に分かれ、逃げ遅れた市民の救出や初期消火に当たった。
市の要請で医師会や薬剤師会も臨時救護所を開設。消防団らに運び込まれた負傷者を問診し、重傷度によって治療や搬送の優先度を決める「トリアージ」を実践した。
上空には、警察や自衛隊機が飛び、被災状況を確認。海上自衛隊は輸送艇からホバークラフトで浅瀬に乗りつけ、警察や自衛隊、救助犬からなる救出部隊をビーチパークに上陸させた。
また、県内外の医師や看護師らの災害派遣医療チーム「DMAT」や自衛隊医療部隊も現場救護所に到着。在日米軍も太洋中学校グランドにヘリコプターで着陸、救護所で医療対応に当たった。
民間からは、市と災害時協定を結ぶ業界団体も参加。各分野の技術や特殊車両を活用し、道を塞ぐ瓦礫や事故車両の撤去などにあたった。
訓練を見守った黒岩祐治知事は「警察や消防だけではなく、(民間や自衛隊など)ありとあらゆる力を結集する必要がある」と意義を強調。災害時、警察や消防、自衛隊、そして住民がどう動くのか。「あらゆる力」の連携、役割分担を再確認する機会となった訓練を今後に役立てよう。
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