ぶれない湘南スタイル
J1リーグ第30節。降格圏に沈む湘南ベルマーレはアウェイでの新潟戦で、一時は3点差を付けられながら終盤に2点を返し、さらに最後まで怒涛の攻撃を展開したが惜しくも敗戦を喫した。すぐ上を行く甲府は引き分けで勝ち点1を獲得。その差は6に開いた。残り試合は4つ。残留に向けて厳しい状況に追い込まれている。
ACL出場を目標に掲げて意気揚々と挑んだシーズンもいよいよ大詰めを迎える。90分間にわたり、すべての選手が攻守に走り抜くハードワークを徹底した姿勢は変わらず、曺貴裁監督は”湘南スタイル”を貫く。
平均年齢約23歳の選手たちはチャレンジャーとして強豪にも臆することなく立ち向かい、スピードと運動量あふれるサッカーは時に相手を翻弄する。しかしJ1の壁は高く、ようやく初勝利を収めたのは第7節。相手は同じく今季昇格した大分だった。これで勢いに乗りたいところだったが、その後は磐田、C大阪、鹿島に3連敗。すべて完封負けだった。決定力不足に加え、13節までは毎試合失点するなど守備も崩壊した。
それでも指揮官が目指すサッカーはぶれない。選手もしかり。結果が伴わない状況が続いても、下を向くことなく懸命に走る。猛暑に見舞われた夏を迎えても、彼らは試合終了まで走り続けた。
そして、その成果は少しずつ、実を結び始めている。これまでに消化した30試合をみると、前半15試合の戦績は2勝4分9敗で、12得点、28失点。これに対し、前節までの15試合は4勝3分8敗の勝ち点15。失点こそ28と変わらないが、得点は20と大きく伸びた。強豪相手にも見劣りせず、J1にふさわしいクラブに成長している。
だが、残り4試合で降格圏外の甲府との勝ち点差は6。数字上では逆転の可能はあるが、すでに降格が決定している大分など下位とのカードを残す甲府に対し、湘南は優勝の可能性もある広島や鹿島と戦わなければならない。
たらればの話だが、もし今の実力で開幕を迎えられるならば、おそらく結果は違うものになっていただろう。今の湘南は間違いなく観客を楽しませるサッカーができるクラブだ。このままJ2に降格するのではなく、その雄姿を是非来季もJ1で見せてほしい。
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