高齢化社会のモデルに
市は昨年12月から、高齢化社会に対応した買い物のしやすい環境づくりを目指し、岡崎地区の町内福祉村「おかざき鈴の里」(岡崎5928)で出張販売を試行している。遠出をせずに買い物が済ませられるとあり、品物の売れ行きは好調。市のねらいと住民の声をきいた。
先月3日に行われた出張販売では、1時間半の販売時間中に60人ほどが来場し、野菜などの食料品を買い求めた。用意した品物の数が追い付かず、急きょ追加するほどの売れ行きだった。
岡崎地区の高齢化率は28%で、全市の23%を上回り市内で2番目に高い。市街地と比べてスーパーなどの大型施設が少ないという環境もあり、市では高齢者の買い物支援に向けた取り組みを探っていた。
今回の出張販売は、農業・商業・福祉を融合した産業間連携事業という点も特徴だ。市産業振興部と福祉部、JA湘南大型農産物直売場「あさつゆ広場」の協働で、地域住民の生活支援だけでなく産業活性化を目指していくという。市では地域コミュニティーの醸成や外出機会の創出、町内福祉村の周知といった効果も期待している。
市産業振興課が出張販売の利用者に行っているアンケートでは、利用者の7割以上が60〜70歳だった。「便利な上、新鮮な野菜が美味しい」と評判も上々だ。販売所で顔見知りと会い、会話が盛り上がる人の姿も。同課の樹本定芳さんは「出張販売をきっかけに外出機会を増やし、地域のコミュニティーをつくることで健康増進にもつながる。アンケートや実際の利用状況を判断し、今後の方法を考えたい」と、住民の声を吸い上げて地域に見合ったより良い販売方法を模索したいという。
一方、利用者からは「野菜の種類を増やし、肉や魚、惣菜などもあると良い」といった声も挙がる。販売品目の拡充に向け、事業に協力する農家や商店、企業などへのアプローチが当面の課題だ。岡崎地域自治会連合会会長の打田照純さんは「地域との協調を考えながら進めていくのがベスト」と話している。
今後の販売は、1月21日・2月4日・18日・3月4日・18日の毎週火曜日、午後0時30分から2時を予定している。
問い合わせは同課【電話】0463・21・9758。
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