体育館に掛け声響かせ
アクロバティックな妙技を繰り出し、スポーツ会場の華として脚光を浴びるチアリーディング。東海大学のチアチーム「FINE」は、全日本学生選手権大会や日本選手権で優勝経験を持つなど、チアの古豪として名を刻む。しかし現在は部員減少という悩みを抱え、怪我人が出れば大会出場が危ぶまれる状況だ。
バスケットボールやバレーボールのぶつかる音が響く東海大学体育館の片隅に、アップテンポな音楽と弾けるような掛け声が響く。8月のJapanCupフライデートーナメント出場に向け、FINEのメンバーが真剣なまなざしで練習に打ち込む。
華やかな印象が強いチアは、一歩間違えれば大怪我につながるだけにトレーニングの過酷さでも知られる。日頃からベンチプレスやスクワットなどを取り入れ、体作りに取り組む。厳しい練習に耐えかねて退部する学生も少なくないという。
数年前まで約25人が在籍したFINEは、今年3月に4年生が卒業し、一時は部員数が9人まで減った。現在の部員数は新入生6人を加えた15人。大会出場には10人程度のメンバーが必要だが、3人は怪我のため出場が難しい。
「人数が少ないことで、1人1人の負担はどうしても大きくなってしまう。20人以上は欲しい」と3年生の本間美沙希さんは話す。大会や大学行事に加え、イベントへの出演依頼があれば県外へ足を運ぶことも。「私たちの存在をどこで知ってくれたんだろうと不思議。チアに触れてもらう場が増えてうれしい」と、練習の成果を披露する場としてだけでなく、部の存在を知らせることでチアへの理解と興味を広げたいという。
水平の状態で2段組んでから一気に起き上がるオリジナル技「おこし」や、演技自体をひとつのテーマパークに見立てた選曲など、同校の伝統技は多い。しかし、人数が足りなければ取り組める技も限られてしまう。伝統の継承と向き合い、部員は限られた人数で技術向上に励む。
競技では目の輝きも評価対象となるだけに、笑顔は最大の武器。「チアは、よく『笑顔の真剣勝負』と言われるんです」(本間さん)と、ほかの競技にはない魅力が部員の団結力を一層高めている。厳しいトレーニングを重ねることで得られた自信と信頼。練習に取り組む部員の表情は一様に明るい。
8月の大会に向け本間さんは「東海らしい力強さを出していきたい」と意気込む。東海チア部の歴史を誇りに溢れるパワーを笑顔に変える。
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