蚕の飼育 夫婦で奮闘 市内城所の川手さん150匹の孵化成功
市内城所の川手十芽男さん(75)・和代さん(73)夫妻が自宅で蚕(かいこ)を育て、卵の孵化(ふか)に成功した。
幼少期に長野県の実家で養蚕を手伝っていた十芽男さんと、かつて厚木にあった県の施設「繭(まゆ)検定所」での勤務経験がある和代さん。昨年6月、旅行に訪れた山梨県の野外博物館で見た蚕の姿を懐かしみ、30匹ほど分けてもらった。
「養蚕の知識はあったものの、飼育道具のない自宅で育ててみるのは手探り状態だった」と話す十芽男さん。まずは蚕を菓子箱の中に入れ、自宅の庭にある桑の葉を1日3回与えてみた。1カ月半後、すくすくと成長した蚕は繭を作り、うち数匹は卵を産んだ。
卵は冷蔵庫の中で温度管理をしながら大切に保管し、今年6月には150匹の卵を孵化させることに成功した。和代さんは、「卵を孵化させる作業は、実は養蚕農家でもなかなかやらないそう。卵がこんなにかえるなんて驚いた」と喜んだ。
富岡製糸場の世界文化遺産登録で話題を呼んでいるが、「かつては県内でも盛んだった養蚕も今ではすっかり稀になった。伝統的な営みを再び味わえて嬉しい」と夫妻は目を細めていた。
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