「様々な色や形、香り楽しんで」
洋ランの愛好団体、湘南蘭友会(石野好胤会長)が1月15日〜18日、第52回洋蘭展をラスカ平塚6階ホールで開催する。主に熱帯域を起源とする洋ランは品種が多彩で華麗な色や形を様々に楽しめるが、原生地の気候風土に応じた温度管理を徹底しないと枯れてしまうなど、育成は難しい。会場では愛情たっぷりに育てられた約200鉢が展示される。石野会長は「様々な色や形、香りを楽しんで欲しい」と話している。
英国発祥とされる洋ラン観賞は明治期に国内に持ち込まれ、苗が高価だったことや温室設備が必要だったことなどから、技術革新による大量栽培が始まるまで、長く上流階級の趣味とされていた。
同会は1962年、大磯で洋ラン栽培を世に先駆けて始めた日本園芸の池田成功氏や市内守山乳業の経営者で愛好家だった守山嗣男氏らで発足。現在も湘南、西湘、県央地域の約50人が平塚市を拠点に、月例会で栽培技術を学んでいる。
洋ランの品種は、樹木や岩の上に根を張る「着生ラン」と薄暗い林の土に根を張る「地生ラン」に大別されるが、人為的な交配などにより、同属のカトレアやデンドロビウムでも色や形、大きさが違うものなど様々な品種がある。
こうした品種の原生地に応じて温度や湿度、陽の光、水の量など環境管理を徹底しないと枯れやすいのが育成の難しさ。石野会長は「原生地は熱帯域でも高い山が多く、日本の夏は暑過ぎるほど。陽の光も必要で太陽を遮るわけにもいかない」と語る。蘭友会の大半は自宅に温室を設け、試行錯誤しながら花を育てているという。
洋ランを育てて約40年の石野会長も自宅の温室で1千鉢以上を管理する。品評会で見つけた新品種や、ブラジルやエクアドルなど原生地を訪ねて輸入した苗、自ら交配した鉢もある。「珍しい品種を集めたり、同じ品種を交配させて好みの形や色を咲かせたり。大輪の花が好きな人、1cmに満たない可憐な花を好む人もいる。楽しみ方は人それぞれ」と語る。
今回の洋蘭展は、64年の初開催から52回目を迎える。来場者の人気投票や、会員の育てた花のチャリティーオークションも実施する。石野会長は「見てもらうことも会員の励み。洋ランの魅力を知って欲しい」。開場は午前10時〜午後7時(最終日5時)。
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