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平塚版 公開:2015年4月2日 エリアトップへ

海底耕うんで相模湾を再生 漁協組合が春漁を前に

経済

公開:2015年4月2日

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海底耕うんの引き揚げ作業
海底耕うんの引き揚げ作業

ハマグリの放流も

 相模湾の中央部に位置し、豊かな水産資源を誇る平塚漁場。しかし近年、河川から海に流入した汚泥などが堆積して海底が固くなり、底生生物への悪影響が懸念されている。平塚市漁業協同組合では刺し網・定置網を中心とする漁場環境改善を目指し、例年、春の漁の始まりを前に「海底耕うん」を実施している。

 海底耕うんは、土砂の堆積などで硬くなった海底を、畑を耕すように掘り起こす事業。酸素を土内に接触させ、プランクトンなどの有機物の分解活動を促進、成分をかき混ぜることで、海底土壌の改善が望めるという。

 作業は、長さ135cm、幅70cmほどのそり型の本体に掘り起こし用の刃が付いた、鉄製の「海底耕うん機」を漁船で牽引する。耕うん機には取集物を集める網が付いており、海底に溜まったゴミや、貝・魚などの海洋生物も回収される。直接的な土壌改善と、漁場の環境調査も同時に行える。 

 漁業関係者が「ほんの20年ほど前は、地曳網などで海底を漁ると、唸るほどハマグリが獲れた」と振り返る平塚漁場。しかし、河川上流の開発や河岸の整備などで、海への土砂・汚泥流出が進行。海底が固まり、ハマグリの生息環境は崩れ、その姿はわずかとなってしまった。

 「健康な海底は、海中の生物も活性化させ、豊かな漁場作りに繋がる」として、平塚漁協は1997年に海底耕うん事業を開始した。牽引作業には組合に所属する定置網漁船に協力を依頼。春から盛んとなる漁の繁忙期を避けた1月から4月にかけ、年6回、作業を行っている。

 事業開始当初、耕うん機の網にはゴルフボールやペットボトル、空き缶などのゴミが目立ったという。サーフィンなどのマリンスポーツ愛好者らが実施している砂浜のゴミ拾い活動もあり、5年ほど前から、ゴミはほとんど回収されなくなったが、平塚漁協は「貝類などの生物が戻ってくる姿はまだ無く、減少傾向。ヒトデは目立つようになった」と話す。

 しかし「海底に限らず自然環境は簡単に戻せるものではない。少しずつ改善活動を続けていくことが実を結ぶと信じている」と平塚漁協。3年ほど前からはハマグリ漁場の復活を目指し、稚貝放流も行っている。今後も豊かな海底漁場復活を目指し、活動を続けたいとしている。

3月5日に行われた調査での採集物。クサフグ・ダンベイキサゴ・ヤドカリ・ヒトデ。
3月5日に行われた調査での採集物。クサフグ・ダンベイキサゴ・ヤドカリ・ヒトデ。

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