神奈川県が毎年、優れた技術や技能を持つ県内の技能者を表彰する技能者表彰がこのほど発表された。平塚市内からは、卓越技能者として2人が選ばれた。
横浜ゴム株式会社 織本信行さん(59)
1975年に横浜ゴム株式会社に入社し、平塚製造所で、製品を製造する機械の改善や修理を長年担当してきた織本さん。現在は、工業資材工場生産技術課で、技能マイスターとして働いている。
同工場は、コンベアベルトや原油輸送用のホースなどを取り扱っているため、幅が10メートル以上あるプレス機や、天然ゴムを混ぜる20〜30トンの機械など、大きな装置が多い。「機械はしゃべってくれない。問診みたいに、日々いろんなところを見て機械を探っていく。長年の経験が生きています」とものづくりへの思いを話す。
来年定年を迎えることもあり、後輩の指導にも力を入れる。「特殊な機械も多く、故障に気づけない人もいる。経験を積んで、ベストな状態で製造できる環境を作っていってほしい」と後進にエールを送った。
テーラー八田 八田厚生さん(72)
明石町で紳士服店「テーラー八田」を営む八田さんは、過去にも様々な表彰を受けてきた。今回、紳士服仕立職の第一人者として評価を受け、「神奈川の名工」に選出された。
18歳のときに父の仕事を引き継ぎ、今年で54年目を迎えた。裁断の研究をしていた父の姿を見て育ち、「若い頃は父のやり方を批判ばかりしていた」と振り返るも、「気づけば父と同じ方法をとっている」と笑う。
同店では外注をせず、注文から納品まで一貫して手仕事にこだわることで、顧客が満足できる洋服作りに徹している。「商品の出来はお客様が判断すること。私は100%できることを一生懸命やるだけです」
本職のほか、八田さんは商店街の活気を取り戻す活動にも邁進する。明石町の大門通りで一般向けの職場見学ツアー「なりわい博物館」などの企画にも携わっており、同活動も評価の対象につながった。
八田さんは「今回の表彰は、親や色々な人の協力があったからこそ、受賞できたもの。みんなのおかげです」と感謝した。
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