高浜高校で選管の出前講座も
今夏の参院選から「18歳選挙権」が初適用される。県教育委員会は全県立高校・中等教育学校に、参院選に向けた模擬投票の実施を要請。選挙について事前授業が開かれるなど、市内の県立高校で政治教育の機運が高まっている。
県教育委員会は、責任ある社会的な行動などを養うシチズンシップ教育の一環で、これまでに全県立高校で2回、模擬投票を行ってきた。現役の高校生を含めて、県内で新たに16万人程度の10代が有権者となるとみられる今夏の参院選に向けて、市内7校の県立高校は模擬投票の実施を予定。事前授業に取り組んでいる学校もある。
高浜高校では5月23日、2年生234人と3年生232人の計466人を対象に市の選挙管理委員会による出前講座を行った。講座では、自由投票や秘密投票などの選挙の原則を解説。ときおり選挙に関するクイズを出題するなど高校生にも分かりやすく教えていた。「今年選挙権を得る人はいますか」と講師が投げかけると、元気よく手を上げる生徒もおり、政治意識の芽生えを感じさせる。
しかし同じ高校3年生であっても、満18歳にならなければ今夏の参院選で投票することができない。今夏の参院選で選挙権を得る吉野海渡さん(18)は今回の講座を聴き「自分たちの責任で政治が決まる。大人になったことを実感した。政治だけでなく地元の問題にも注目したい」という。富永萌花さん(18)は「いままで政治に関心がなかったから、参院選は誰を選んだら良いか分からない。これから勉強しなきゃ」と意気込む。
参院選後に選挙権を得る金澤玲央奈さん(17)は「講座のおかげで、いままでは他人事だったけれども少し政治を身近に感じるようになった。でも選挙年齢を18歳にしたところで何が変わるのか」と小首をかしげる。原田達海さん(17)は「今回の参院選は投票しないが、次の選挙では投票するかもしれない。それまでは時間があるのでゆっくり考えたい」と語った。
高浜高校は模擬投票日を6月27日に設定した。市の選管から本物の選挙箱と記載台を4台ずつ借りて、実際の選挙になるべく近づけるよう工夫を凝らしている。架空の候補者が高校生にも分かりやすいマニフェストを掲げ、授業の中で生徒たちに考えさせ、模擬投票に臨む。
小河多香路教頭(51)は「選挙の意義を正しく理解してほしかった。これをきっかけに生徒が選挙を身近に感じてもらえたら嬉しい」と生徒の意識向上に期待している。
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