「湘南ひらつか七夕まつり」(7月7日〜9日開催)を目前に控え、今年も準備が佳境を迎えている。七夕を盛り上げようと、市民飾りの制作や恐竜ロボットの復刻など、思い思いに取り組む市民の姿を取材した。
世相や地域性で独自の色を表現
商店主が豪華絢爛な仕掛けを競い合う商店飾りが減少する中、それを補完しているのが「市民飾り」の存在だ。市民飾りの作業場として開放されているひらつか市民プラザ上の紅谷町駐車場6階では、地域性や世相をデザインに反映させるなど、工夫の凝らされた作品が完成を待っている。
今年4月に設立した官民組織「ひらつかリトアニア交流推進委員会」は、飾りづくりに初挑戦する。2020年東京五輪・パラリンピックで誘致したリトアニア共和国の事前キャンプを盛り上げようと、同国のメダリストや首都の街並みなどの写真を飾りに掲出する。市担当課は「リトアニアを多くの方に知ってもらい、応援してもらうきっかけになれば」と期待を寄せる。
四之宮の下郷自治会では、介護施設の高齢者と子供会が世代間交流を兼ねて、地域ぐるみで制作に取り組んでいる。今年は同地区ゆかりの人形浄瑠璃「前鳥座」をテーマとし、和紙の貼り絵で人形をかたどった。同自治会の小磯利雄さん(73)は「子供たちの地域への愛着を育むきっかけにもなるはず」と目を細める。
市内夕陽ヶ丘の福祉作業所「山晃央園」では「願いごとミニ七夕かざり」を制作し、知的障害者が七夕に参画する機会を提供している。市役所の福祉ショップや七夕まつりの会場で販売し、売上金を利用者の工賃や活動費に充てる仕組みだ。
総勢40人の利用者は願い事を書いてもらう短冊をあしらった1600本の飾りを組み立てた。今年は短冊に市のシティプロモーション事業のロゴマークを入れることで、まちのPRにも一役買う。同所の磯部和男理事長(83)は「利用者は七夕会場での対面販売も楽しみにしていますよ」と、当日を心待ちにしている。
地元経営者の石川正行さん(44)は昨年、個人や企業から寄付を募り、自身が子供の頃に魅せられた「恐竜ロボット」を復活させた。今年も高さ3m、横5mの恐竜を七夕まつりのメーンステージ広場に展示できるよう、協賛あつめに奔走している。「迫力ある恐竜を見てもらい、自分たちの世代が経験した七夕の思い出を子供たちに伝えていきたい」と話している。
市民飾りの制作を長年にわたり指導している「湘南七夕の会」の根岸理裕(まさやす)さん(80)は「市民飾りは掲出数の連続性を保ち、七夕を盛り上げる大切な役割を担っている」と語っていた。
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