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学生服トキワヤ 次の100年へ地域と共に歩み進める 専門店の魅力で販売網拡大
紅谷町の店舗前で常盤卓嗣社長(中央)と後継者の健嗣さん(左)、善徳さん(右)
湘南スターモール商店街の店舗前、納品を待つ山積みの段ボールは入学シーズンの訪れを告げる風物詩にもなっている。今春も多くの中高生にぴかぴかの学生服を届けた。
１９２０年の創業から大正、昭和、平成、令和と４時代をまたぎ、来年１００周年を迎える。今や数少ない学生服の専門店として、新時代へ子育てしやすいまちづくりに貢献するつもりだ。
衣料品店だった同社は70年代から、棚の一部で学生服や体操服を扱い始めた。見た目も画一的で差別化の求められない分野に見えたが、成長期の子供が毎日着る制服の仕立ては実に奥深く、保護者からの関心も高かった。
これに着目した三代目の常盤卓嗣・現社長が専門店化に踏み切った。平成の不況風が吹きすさぶ中、着心地や素材、縫製など品質を追求することで、評判が評判を呼んだ。
その集客力に注目した大手の要請で、07年にイオン秦野店と厚木店を出店。これを皮切りに茅ケ崎や藤沢、小田原、伊勢原、大和、座間市内まで販売網を拡大、多店舗化を進めている。
県内有数の店舗網を背景に、同社は一流大手メーカー５社と提携。仕入れ値は高く利幅は減るが、最新の縫製技術や素材を使ったモデル商品を他に先駆けて販売できる。
対面販売で吸い上げた貴重な顧客ニーズは５社に還元し、「袖だし成長設計」「丸洗い機能」「抗菌抗臭」などの技術を開発、全国的に普及させた。
常盤社長は「良質で低価格な学生服は出店先の都市でも喜ばれ、標準になりつつある。子育てしやすいまちづくりへの貢献にもつながれば」。
令和元年から次の１００年へ。ショッピングモールやネット通販の巨大資本が小売市場を席巻する時代、持ち味である専門店らしさ、地域密着で勝負していく。
■（株）トキワヤ本店【電話】０４６３・２１・０２０３／平塚市紅谷町12の29湘南スターモール商店街
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