平塚青年会議所(常盤健嗣理事長)の創立60周年記念講演が25日、ラスカ平塚で開催された。作家の乙武洋匡氏が講師となり、約280人の聴衆に「共生社会」「誰一人取り残さない社会」について語りかけた。
乙武氏は、2016年の不祥事後の謹慎中に37カ国放浪の旅へ。英・ロンドンには3カ月滞在し、日本と欧州の「共生社会」への意識の違いを目の当たりにした。
日本の通勤ラッシュ時の満員電車を例に挙げ、「あそこに車いすの人や目の見えない白い杖を持った人、ベビーカーユーザーは乗れますか?ロンドンは毎朝入場規制をかけています。20分ほど待たされることもありますが、交通弱者を排除せず、全員が平等に20分待てば電車に乗れる」と取り組みを紹介した。
他にも、街中で車いす利用者をよく見かけたことや、エレベーターのない地下鉄駅でも、階段の前で立ち止まっていると1分もしないうちに他の乗客が手を貸してくれるのが常だったことも明かし「たとえ地下鉄にエレベーターがなくても、人の手助けというインフラはある」と話した。
テクノロジーが鍵
乙武氏は現在、最先端の義足歩行プロジェクトを展開している。テクノロジーが身体的なハンディキャップや社会の障壁をなくすのに有効だと考えているからだ。「足も手もない。歩いた経験もない。でも僕が歩くことで未来が見える人がいるかもしれない。誰もが排除されない社会は自分も排除されない社会です」と話していた。
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