プロ野球・横浜DeNAベイスターズの投手で平塚市出身の古村徹さん(26)が先ごろ、本紙平塚編集室を訪れた。人生で初の手術を経験し一軍登板を果たせなかった昨季を振り返り、今季にかける決意を語った。
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古村さんのプロ野球人生は波乱万丈だ。茅ヶ崎西浜高時代に140Km/hを投げていた左腕は、2011年のドラフト会議でDeNAから8位指名された。しかし、入団まもなく肩を故障、14年シーズン後に戦力外通告を受けた。その後、打撃投手としてチームに残るも、再挑戦を決意。独立リーグで150Km/hのストレートを手にして昨季、異例ともいえるDeNA復帰を果たした。
「絶対に結果を残す」と意気込んだ昨春の一軍キャンプ。左肘に違和感を感じながらのブルペンでは監督やコーチを前に平静を装っていたが、3月下旬のマウンドでついに「すごい痛み」を感じた。そして5月、初めて左肘にメスを入れた。
気持ちだけが先走り、何もできないまま終わってしまったシーズン。「再び戦力外通告か」。昨年10月20日、球団に呼ばれ5年前が頭をよぎった。「戦力外になってもあきらめず戦ってきた君はこれからの選手にとって先駆者だ。頑張ってほしい」―。背番号は変わらず「67」、契約更改の通達だった。奇しくもこの日は26回目の誕生日。「すごいバースデープレゼントをもらいました。感謝の一言でした」
今は左肘も完治し、146Km/hまで速球が戻った。「去年は結果を出したい一心で冷静じゃなかった。シーズンまでにウエイト強化と心のコントロールを磨かないと」。結果を求めすぎず「あえて腹八分目で満足できる心のゆとり」を身に付けようとしている。
座右の銘は「人間万事塞翁が馬」。人生何があるか分からない、幸せな時も、そうでない時もある…。「もうだめかという時が何度もありましたから。いい意味で開き直っていきます」。35歳まで現役、戦力外でなく自らで引退決断。そんな青写真を描いている。
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