県立二宮高校(二宮町)の吹奏楽部が、第40回定期演奏会を3月24日(日)に二宮町生涯学習センターラディアンで開く。同校の吹奏楽部員は、ティンパニなどの打楽器を担当する3年生の吉澤なのはさん(18)ただ1人。演奏会には10〜50代のOBとOGが駆けつけ、後輩の晴れ舞台をサポートする。
春日野中学校で吹奏楽部に入部したことをきっかけに、打楽器を始めた吉澤さん。昨年3月の定期演奏会を終えて1学年上の先輩の卒業を見送った際には、「部員は自分一人だけ。私が卒業する時には、先輩たちのように演奏会ができるんだろうか」と不安が募ったという。
昨年12月、卒業生に助っ人を依頼すると、吉澤さんの最後の演奏会を支えようと30人以上が協力を申し出た。仕事や学校などの合間を縫って母校に集い、週1回ほど練習を重ねてきたという。外部指導者で同部OBの成瀬文さん(39)は、「二宮高校では代々、吹奏楽部員だけでは足りないパートを卒業生たちが担ってきたという経緯がある。卒業しても楽器を続けている人も多く、今年も力を貸してくれた」と感謝する。
普段は音源に合わせて一人でティンパニやドラムセットなどの練習を行っているといい、「ソロパート部分が特に難しくて苦戦している」と、本番に向けて鋭意特訓中だ。演奏会のために集まった先輩の演奏は「とても心強い」と笑顔を見せる。
演奏曲は吹奏楽の定番だけでなく、ポップスメドレーなど幅広い。「たくさんの人に楽しんでもらえるように」と、プログラムは吉澤さんが顧問教諭と考えた。1部で演奏する行進曲『士官候補生』は第1回目の定期演奏会でも披露された曲といい、40回を数える演奏会の歴史を感じながら演奏したいという。
4月以降の部活動存続は未定だが、「新入生や在校生の中に吹奏楽をやりたいという子がいたらいいなと思う。私もOGとして、助っ人に駆けつけて恩返しできたらうれしい」。指揮者として参加する成瀬さんも「とにかく悔いのない本番にしてもらいたい」と鼓舞する。
卒業式も終え、吉澤さんにとって高校生活最後の行事となる定期演奏会。「先輩方と一緒に、精一杯がんばりたい」と、3年間の集大成となるハーモニーを届けるつもりだ。
演奏会は午後1時30分開演。入場無料。
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