市「中止」を表明実行委「寝耳に水」
東日本大震災の影響から開催が検討されてきた「湘南ひらつか七夕まつり」。今月12日に地元商店街の関係者などが組織する実行委員会が集まり、市と最終決定を協議する会議を開いた。しかし、中止の方向性を伝える市に対し、実行委からは「規模を縮小してでもやるべき」との意見が相次ぎ、結論は次の会議に持ち越されることになった。
七夕まつりは、主催者の平塚市が七夕飾りや人件費、警備費などにかかる6500万円を予算計上し、実行委員会に事業を委託する形で開催される予定だった。
しかし、実行委の会長である大蔵律子市長は会議の中で、震災による余震や原発事故、夏場の電力需給、警備態勢などの問題から「市民の安全面を考慮し今年は中止したい」と市の方針を説明。実行委への委託を行わないことを伝えた。これに対し実行委からは「唐突すぎる」「規模を縮小してでもやるべき」といった反対の声が上がり、市は開催の是非を再度検討することを決定、結論は次回の会議まで先送りされることとなった。
市は、3月31日の庁内会議で祭りを中止する方針を固めたが、実行委の幹部などに対する事前の説明は行っていなかったという。副会長の1人、福澤正人商工会議所会頭は「中止と決めるなら、相談があってしかるべきだった」と憤る。市の判断には「祭りは商業的な側面も大きく、中止となれば中心商店街にとって打撃だ。夜の照明を止める、規模を縮小するなど開催に向けた代替案はあるはず。観光協会などに事業を移管するのも手ではないか」と開催に強い姿勢を見せている。
「正に寝耳に水だった」と話すのは、平塚市商店街連合会の升水一義会長。「警備態勢や祭りの規模など、様々な事案を検討した上でなら仕方ないが、それが全く示されていない。市は安全という言葉を楯に責任逃れをしているのではないか」と話す。「商店街からは開催して欲しいという声が多い。解決しなければならない課題は多いが、”やる”という強い気持ちで臨みたい」。
例年七夕飾りを掲出している明石町の商店主は、開催が宙に浮いた状態で飾りの制作を迎える。「市民飾りの制作はもう始まっている。開催となればうちも2ヵ月で制作しないと。作り手の気持ちを考えていない一方的な判断だし、震災から1ヵ月、市の対応は遅すぎだ」と手厳しい。
平行線を辿った1回目の会議では、市と実行委の連携不足が露呈した。次回の会議日程は未定だが、24日に決まる新市長がどのような判断を下すのかも含め、関係者は推移を見守っている。
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