高橋 大樹選手 再起誓い 掴んだベルト WBKFスーパーライト級王者に
湘南格闘クラブの選手兼トレーナー、高橋大樹選手(=23歳・見附町・リングネーム「大鬼」)が、キックボクシングのWBKFスーパーライト級日本王座に輝いた。怪我による引退を乗り越え獲得したベルトに、高橋選手は「観客席の応援が力になった」と感慨深げだ。
ディファ有明で8月12日に行われたWBKFスーパーライト級日本王座決定戦。高橋選手は第1ラウンドでダウンを喫するなど試合の主導権を握られ、第2ラウンドでは顔面に受けたパンチで鼻を骨折するアクシデントに見舞われる。もう一発、鼻にダメージを受ければドクターストップという状況だった。
満身創痍で迎えた第3ラウンド、「KOだけを狙っていた」という高橋選手は、残り1分で放った渾身の右ストレートでダウンを奪い、言葉通りの逆転KOでタイトルを勝ち取った。
怪我で現役引退トレーナー転身
念願のタイトルを掴んだ高橋選手だが、格闘技人生は決して平坦ではなかった。
「自分の身は自分で守りなさい」という母親の勧めで、4歳の時に空手を始めた。高校入学と同時に、母校の江陽中学そばにある湘南格闘クラブの門を叩き、空手からキックボクシングに転向、1年後にはプロデビューを果たした。
転機は20歳のときだった。19歳で挑んだタイトルマッチに敗れ、次の試合に向けた練習中に足を痛めた。傷は思うように回復せず、現役引退という苦渋の決断を下した。
3年ぶりの再起
再びリングを目指したきっかけは、引退後もトレーナーとして身を置くクラブで出会った、生徒たちの存在だ。「生徒が懸命に練習する姿を見て、もう1度リングに上がりたいという気持ちが強くなっていった」と高橋選手は話す。
そんな折、新興団体「WBKF」のタイトルマッチがあることを知った。3年ぶりの再起を懸け、今年5月からトレーニングを開始。湘南平の険しい坂道でダッシュを繰り返し、体力だけではなく精神面も徹底的に鍛え抜いた。
フィジカルトレーナーを務める内藤堅志さんは「3年のブランクを埋めることは簡単ではない。トレーニングは、大樹選手の心のスタミナを充分に鍛えることが目的だった」という。高橋選手は「おかげで、鼻は折れたけれど心は折れなかった」と、過酷なトレーニングを笑顔で振り返る。
現役復帰を叶えた高橋選手だが「立ち技だけでなく、寝技も含めた全ての技を極めたい」と、今後はキックボクシングを離れ、トレーナーを続けながらシュートボクシングの世界に挑戦することを決めた。今年中には、シュートボクサーとして新天地のリングに立つ予定だ。高橋選手は「平塚を代表する格闘家として、地元を盛り上げていきたい」とさらなる飛躍を誓った。
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