「平塚の魚を食べよう」 漁協組合の取り組み
「さばく」を楽しむスタイルへ
昨今の消費者における「魚離れ」に歯止めをかけ、平塚で水揚げされた鮮魚の美味しさを再認識してもらおうと、平塚市漁業協同組合があの手この手で魚食普及に取り組んでいる。「平塚でとれた魚をもっと食べてほしい」という思いを体現するため、魚のさばき方教室や、イワシを丸ごとプレスしてせんべいにするといったユニークな試みを展開している。
「平塚って、魚がとれるの?」、「平塚に港なんてあるの?」。そう聞かれる度に、漁協組合職員の伏黒哲司さんは「何とかしなければ」と、心が奮い立つという。天候や海の状態に左右される環境の中、真っ暗なうちから行われる漁は、魚が人の口に運ばれてこそ成り立つ。漁師の思いを代弁するように、職員をはじめとする同組合は、普及活動に挑戦し続けている。
「魚をさばくことが日常ではない人も多い」と伏黒さんは話す。先月には、昨年から続く「ビーチdeさばき方教室」を開催した。ビーチに遊びに来る若者や家族連れに、海を見ながら魚のさばき方を覚えてもらおうと、開催したのは湘南ひらつかビーチパーク。年配の人や主婦のグループも参加して賑やかに行われた。「魚を丸ごと買って、自分でさばく。それが平塚に住む人のおしゃれなスタイルとして根付いてくれたら」と、今後も開催していく予定だ。
たくさんの種類の魚が平塚でとれることを知ってほしいという思いから生まれたのが、「お魚まな板シート(300円)」。まな板の上に敷くなどして使うこのシートには、平塚の漁港に集まる109種の魚の写真がずらり。魚のさばき方も写真で解説されている。これまでは、紙に印刷してイベント等で配布していたが、台所に置ける実用的なアイテムとして思いついた。
魚を楽しく食べてもらうための、新たな試みも。キッチンカーで今後販売する「お魚せんべい」だ。カタクチイワシなどの魚と米粉を使い、上下の鉄板で丸ごとプレスする。イベントで試食を振る舞ったところ、「魚そのままの味」「お酒のつまみに最適」など、評判も上々だった。形が見えるようにしたのは、「子どもに魚を丸ごと1匹食べたと思ってほしいから」。魚嫌いの子どもが「おいしい」と食べる姿に、伏黒さんは目を細める。
『平塚=魚がおいしい』と定着させることが組合の目標だ。「回りまわって、大変な思いで漁師達がとってくる魚の価値を高められると思うんです」と伏黒さん。魚ブームの波を起こすべく、今日も工夫を凝らした活動が続く。
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