甲冑つけ武者行列も
平塚市真田に城を築き、源頼朝の挙兵に応え25歳の若さで散った真田与一を祭る、天徳寺境内の「与一堂」。真田特定土地区画整理に伴い再建され、地元の有志で結成された「与一の郷づくり協議会(与一の会)」による完成記念イベントが9月20日に行われる。
「与一堂は真田の宝」――。与一の会代表の陶山豊彦さん(75)は、9月20日の完成記念イベントを控える与一堂に目を細めながら話す。真田特定土地区画整理で新たな人口流入が見られる中、「真田与一の存在を後世に伝えていきたい」と同会は発足。与一のルーツの調査や、小学校の校外授業への協力などをしている。
真田与一は現在の岡崎地区を領した岡崎義実の長男。頼朝が伊豆で挙兵した際に駆けつけ、石橋山の戦いで討ち死にした。与一らの奮闘のおかげで千葉への逃亡に成功した頼朝は、後に与一の墓を訪れ涙したという逸話が残っている。
与一の会メンバーで、10年ほど前に栃木県から平塚に移り住んだ菊地康太さん(34)は「ここに来るまで与一の存在を知らなかった。調べているうちにのめりこんでいった」と、25歳の若さで命を落としながらも、地域の歴史や文化財に名を残す与一の人生に魅力を感じたという。
同会は「与一の息吹を感じられたら」と、手作り甲冑の教室「うさぎ塾」に通うなど幅広く活動。完成記念イベントでは、手作り甲冑を身に着けた武将役の与一の会メンバーら総勢20人による武者行列も行われる。
甲冑はボンテックスと呼ばれる強度のある紙でできていて、専用の金具や編み紐を使い組み立てていく。「作るのに早くても3カ月はかかる。出来栄えを見てもらう場でもあります」と菊地さん。当日は、石橋山の戦いに出陣した武将の名入りの旗を持ち、一人ひとり立ち止まって名乗りを上げるパフォーマンスも行う予定だ。
ほかにも石橋山の戦いに敗れ館に火をつけられた土肥実平が踊ったとされる「焼亡の舞」(湯河原町焼亡の舞保存会)の披露や、提灯で飾られた「真田尊神輿」の渡御、稚児行列などの演目が並ぶ。
陶山さんは「真田地区は区画整理の影響で子どもたちが増えた。地域の財産を守っていってほしい」と話し、地域振興の要として、真田与一の力を借りていきたいという。完成記念イベントは9月20日(土)、午後3時〜7時。武者行列、稚児行列、焼亡の舞は与一堂からヨークマート北金目店の間で行われる。
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