2015年春の叙勲と第24回危険業務従事者叙勲、春の褒章がこのほど発令され、市内から13人が受章した。喜びの声を聞いた。
瑞宝単光章佐草(さそう)康政さん地域防災支えた35年
市内宮の前に住む佐草康政さん(75)は、23歳から58歳までの約35年間、消防団第3分団で活動を行ってきた。
35年間の出動回数は数えきれないほど。入団当初は防護服も刺し子でできた布製で、防水機能もなかった。「放水された水がしたたり落ちる冬の火災現場では、防御服の水滴がつららになるほどだった」という。「見かねた近所の人が、たき火をおこして暖を確保してくれたり、おにぎりの差し入れをしてくれた」と地域の温かさに感謝する。
火災や災害時にいち早く現場に駆けつける消防団の活動を続けてこられたのも家族の支えがあってこそ。「叙勲は、7年前に亡くなった妻のもの」と勲章を仏前に飾る。「平塚の防災設備は全国でもトップクラス。誇りを持って、活動してほしい」と話していた。
瑞宝単光章 府川良一さん重機操り山肌に道拓く
(株)加藤建設工業(根坂間)工事部長の府川良一さん(68)はキャリア約40年の重機オペレーターで、数々の造成工事の現場を指揮。急峻な山肌に建設機材の搬入路を切り拓くなど、危険と隣り合わせの持ち場を無事故で守ってきた。
「土方の仕事で叙勲なんて思いもよらなかった。皆から祝福された」と照れ笑いを浮かべる。これまでも国交大臣が卓越した技術者を顕彰する「第15回建設マスター」(2006年)に選出されるなど、仕事ぶりが評価されてきた。
「重機災害は死亡事故につながる」と府川さん。危険な局面では今も現役としてハンドルを握り、ブルドーザーやショベルカーを巧みに操る。「社会に役立つことのできる仕事ですから、会社からやってくれと言われ、体が動くうちは少しでも長く続けたい」と笑顔で話していた。
◇ ◆ ◇
市内受章者は次の皆さん。敬称略。カッコ内は功績概要と主要経歴。
◎2015年春の叙勲
▽瑞宝双光章/篠原剛(教育功労・元公立小学校長)、杉山幸子(同)、戸叶義能(教育功労・元公立中学校長)▽瑞宝単光章/佐草康政(消防功労・元平塚市消防団分団長)、府川良一(専門工事業務功労・現(株)加藤建設工業工事部長)
◎第24回危険業務従事者叙勲
▽瑞宝双光章/金子正孝(警察功労・元警視長)、宍戸昌征(警察功労・元神奈川県警視)▽瑞宝単光章/梅原明彦(消防功労・元平塚市消防司令長)、大川博基(警察功労・元神奈川県警部補)、倉迫浩二(防衛功労・元3等海尉)、寒河江源英(警察功労・元神奈川県警部補)、下舞昭彦(同)
◎2015年春の褒章▽藍綬褒章/小宮ユリ子(更生保護功績・現保護司)
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