今年で20回の節目を迎える「湘南ひらつか囲碁まつり」が10月11日、湘南スターモールで開催される。同まつりには市内だけではなく、全国から参加者が訪れる。市や平塚市まちづくり財団では、「囲碁のまちひらつか」の旗印を掲げ、年間を通じて囲碁を感じられるまちづくりに取り組んでいる。=外面に関連記事
桃浜町に道場
市民センター(見附町)の一角にある「木谷(きたに)實(みのる)・星のプラザ」では、現在の桃浜町に居を構え、生涯で50人を超えるプロ棋士を育てた木谷實九段(1909-75)の偉功を紹介するため、木谷九段の似顔絵や、九段免許状などを展示。囲碁文化の振興拠点として、市民が囲碁に親しめるよう実際に碁盤で対局できる場を提供している。
木谷九段は、1909年に兵庫県神戸市で誕生し、12歳で上京。その後、鈴木為次郎六段の内弟子となった。22歳で美春夫人と結婚し、36年に27歳で湘南に転居。大磯・平塚を転々として翌年、現在の桃浜町にプロ棋士養成のための「平塚木谷道場」を開設した。
道場では、木谷九段が指導碁で国内外を行脚して見出した子どもたちが集まり、寝食を共にした。市内の学校に通わせながら、美春夫人とともに自身の子どものように育てたという。市の文化振興担当者は、「木谷道場の存在が、現在の囲碁を通じたまちづくりの背景になっている」と説明する。
まちづくりに反映
木谷九段の功績に光を当てるため、1996年に市博物館が特別展「木谷實展」を実施したところ、市民から多くの反響があった。「囲碁を文化資源として認識したきっかけになった」と市担当者は話す。反響を受けた市は、囲碁の普及活動を目的とする「囲碁文化振興事業」を実施。土曜日の午前中に行われるモーニング囲碁教室や、子どもたちを対象にした囲碁入門教室を開催するなど、囲碁に触れてもらおうと啓発活動に取り組んでいる。市は「今後は市内の様々なお祭りなどで、囲碁の普及活動に取り組みたい」と意気込んでいる。
多面打ち盛況
「囲碁は世代を超えた交流や、コミュニケーションのツールとしても役立つ」と市担当者。昨年の囲碁まつりでは、目玉企画の多面打ち大会に6歳から95歳まで、約1000人の幅広い世代が参加した。初めて囲碁に触れる人でも楽しめるよう、囲碁教室の講師が指導にあたる「初心者向けの個別指導コーナー」なども用意されている。市は「囲碁まつりに足を運んでもらい、平塚市を知って帰ってもらいたい」と呼びかけている。
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