花粉を飛散させるスギの雄花
神奈川県環境保全センター（厚木市七沢）は、毎年実施しているスギ雄花の着花量調査の結果をまとめ、今春の花粉飛散量を「やや多かった２０１６年と比べると減少し、例年よりやや少なくなる」とする予測を発表した。
同調査は１９９７年から開始。昨年11月２日から30日まで、県北部（相模原市緑区）・県央部（厚木市など）・県北西部（秦野市など）・県西部（小田原市など）の４地域に分けた合計30カ所で実施した。調査地点のスギ林から40本のスギを抽出し、双眼鏡や望遠鏡で１本ごとに着花状況を判定。地点ごとの平均値を算出し、０点〜１００点の間で点数化している。
今回の調査では、県内30カ所の平均値は37・７点となり、やや多かった16年の50・６点を下回った。また調査開始以来19年間の平均値（43・３点）も下回ったことから、「やや少ない」と判断した。地域別では、県西部の平均着花点数は34・９点、県北西部は27・６点と、ともに県内平均値を下回る結果となった。
同センターによると、一般的にスギの雄花の花芽形成は花粉が飛散する前年の夏（７〜８月）の気象条件との相関が高く、高温少雨で日照時間が多いと雄花が多く着花する傾向があるという。昨年７月の気象条件は降水量・日照時間ともに平年よりやや減少。８月は降水量が多いものの、日照時間が平年に比べ減少したことから、雄花の着花量が少なくなったとされる。
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