薬物依存経験者の話 中井中学校で講演会
中井町立中井中学校(富岡洋文校長・生徒数276人)で5日、薬物乱用防止講演会があった。薬物依存症からの回復を目指す民間施設・川崎ダルクで施設長を務める男性が講師として来校。施設を出てから睡眠剤とアルコールの過剰摂取で命を落とし、死後数週間経って発見された仲間の話や、薬物を止められず自殺未遂を図った自らの経験を語った。
男性は飲食店で働いていた19歳の時、女性客の誘いで覚醒剤を使用。後に家庭を持ち、10年ほど薬を止めていたが、再び薬物に手を染め、裏社会へも足を踏み入れた。「薬を使えば使うほどなりたくない自分になっていった。こうして自分のことを正直に話すことで、今日一日、薬を止めていくしかできない」と述べた。
最後に施設長は生徒たちへ「何でも話せる人が5人以上いますか」と質問。「薬物に対してノーと言う時、味方になってくれる人がいれば寂しさを感じなくてすむ。賢明な選択をしてください」と締めくくった。
講演会は、同町が町民の健康づくりについて策定した「美・緑なかい健康プラン」のうち、学童期・思春期の子どもを対象にした事業の一つ。当事者による生の声に、生徒たちは真剣に耳を傾けていた。
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