地域公共交通の先達に 関東運輸局のマイスター制度に市内2人が選出
関東運輸局が今年から創設した「地域公共交通マイスター」に、秦野市役所都市部公共交通推進課の保坂富士雄さんと、株式会社愛鶴・株式会社ハートフルタクシーの篠原俊正さんが選ばれた。一市町村で2人が任命されているのは、秦野市のみ。
「地域公共交通マイスター」は、地域公共交通の維持や活性化、利便性の向上を目指し、中心的な役割を果たしている活動者を任命する制度。任期は3年で、他地域の自治体や事業者らのためにセミナーで講師を務めるなどの活動を行い、知識や経験を広める。
初代マイスターには、関東8都県から16人が応募。有識者から成る選定委員会が13人を選出した。
保坂さんは、交通渋滞問題や交通空白地域解消のため、自治体の立場から事業者や商店街、住民らが協議する場を作り、コミュニティー(乗合)タクシーの実証運行に尽力。秦野市の推薦を受けた。
篠原さんは、事業者の立場として保坂さんとともに、コミュニティタクシー構想の段階から携わってきた。さらに同社が行う介護・福祉の支援をするタクシー救援事業サービスや子育て支援タクシー事業の中心を担った。その利用者のニーズに応える試みが評価され、神奈川県タクシー協会から推された。
4月27日に市役所で任命式を実施。同運輸局神奈川運輸支局の萩原邦男支局長から両者に任命状が手渡された。萩原支局長は「地域住民と行政、事業者が三位一体となって公共交通を考えることは、非常に重要な施策。積極的に、他の地域にも伝えてほしい」と要望した。
「公共交通に関して、今までは交通事業者に頼っていた。今は利用者である市民が”地域の足”と意識して考えることが必要」との想いで臨んできたという保坂さん。「今まで取り組んできたことが近隣自治体の方に、1つでも参考になれば幸い」と話した。
篠原さんは、「タクシーの特徴である”ドアtoドア”と”好きな人と好きなところに行くことができること”という発想を活かした」と活動を振り返る。「地域のニーズを把握する自治体と協力したことで、新しいサービスの模索に繋がった。今までの取り組みが、少しでもお役に立てば」と意気込んだ。
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