熱中症患者が急増 市内6月で15人搬送
秦野市消防本部(小松昭一消防長)によると、今年6月の熱中症の救急搬送者数は15人。昨年6月の2人から大幅な増加となった。同本部によると、この数字は例年の6月の熱中症救急搬送者の中では高い人数だという。
過去最高の熱中症患者を出した昨年度の猛暑。気象庁の発表では、今年6〜8月の平均気温も、平年並みかそれ以上と予想されており、熱中症対策の重要性が増している。最高気温が30度を超え真夏日となった6月22日、29日は、市内でもそれぞれ4人の熱中症患者が発生した。
市内6月の熱中症搬送者のうち、65歳以上の高齢者が約半数の7人。高齢者は汗をかきにくいなど体温を下げるための体の反応が低下しており、気付かないうちに熱中症になる危険があるという。また、体温調節機能が未熟な子どもも熱中症の危険が高いという。
塩分不足や湿度にも要注意
熱中症は、高温多湿により、体の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温調節機能が低下することで起きると言われる。同本部警防対策課は「症状を感じてからの対策では遅い。事前の予防が重要」と呼びかける。
予防対策は、まず暑さを避けること、水分補給の2点。加えて「水分だけでなく塩分補給も大切。水やお茶より、スポーツドリンクなど塩分を含んだ飲み物を取ることを心がけて欲しい」と同課は話す。
また、湿度にも注意が必要だという。3人が搬送された6月26日は、最高気温25・7度、最低気温が19・7度だったが、一日の平均湿度が82・8%と高く、風も弱い日だった。同課は「気温と日差しに加え、湿度と風量にも気配りを」と話す。
「無理」せず適切にエアコン利用
同課は熱中症患者急増の理由を「節電対策でエアコンの利用を控える動きが影響しているのでは」と分析する。消防庁はホームページで、室温が28度を超えないようにと呼びかけている。
現在「体に無理をさせない適切な節電を」との呼びかけが厚生労働省を中心に進められている。市健康づくり課、市保健福祉事務所も熱中症の注意喚起を進めている。今後は国、県の意向に沿う形で対策を展開する予定だという。
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