秦野赤十字病院 市内初のICUを開設 急性期医療の充実めざし
秦野赤十字病院(齋藤清院長)は、市内で初となるICUを10月1日に開設、11月からは、厚生労働省の認可を受けた特定集中治療室として本格稼動をはじめた。
これまで市内にはICUはなく、同病院では二次救急病院として医療レベルの充実を図り、災害拠点病院としての機能を強化するうえで、設置を懸案事項ととらえてきた。
一方で、平成21年度2497件だった救急車搬送件数が、平成22年度には2700件に増加、さらに平成23年度も9月30日現在で1548件に上っており、緊急外来などに対応する意味でもICUの開設の必要性が高まっていた。
こうした状況から秦野赤十字病院では、ICUの開設に踏み切った。同病院のICUは4階東病棟の一部を改装して設置された。4床のベッドを配置し、患者2人に対して看護師1人が対応。呼吸や循環、代謝などの重篤な急性機能不全の患者に対して24時間絶え間なく継続して集中高度医療を行う。担当する看護士の中でも2人は、特にICUについての知識を学んだ「集中ケア認定看護師」だという。
ICUとして必要なフロアのスペースや医療機器を確保したうえ、11月から本格的に運用が始まり、12月6日までに30人の患者に対応してきた。これまでの利用率は93パーセントほどになるという。現状では手術直後の患者が入室するというケースが最も多く、1人あたりの平均利用日数は4・3日程度になっている。これまでこうした患者のケアは、各病棟のナースステーション隣接のHCUと呼ばれる部屋で行われてきた。
ICUの責任者で同病院の副院長を務める日高聖医師は「地域の急性期医療を担う病院として、インフラ整備を行い、スタッフも揃えた。病棟、救急外来、手術室などと綿密な連携をとりつつICUを運営することで、今まで以上に安心・安全な医療を提供できるのではないか。ICUを開設した今後は、今まで以上に救急患者や重症患者を積極的に受け入れていきたい」などと話した。
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