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秦野 はだのっ子 いま・みらいコラム

公開日:2012.03.24

はだのっ子 いま・みらい
教育寄稿第41回
学力は学校だけでは不十分か 1
内藤 美彦

 「家計は苦しくても、塾に通わせる」と文部科学省の「子どもの学習費調査」で分かった、との報道がありました。そう言われれば、秦野駅周辺だけでも十指に余る学習塾があります。夜の9時過ぎになると、それらの塾から子供たちが三三五五出てきます。冬空に真っ白い息を吐いて、寒風に頬を赤くして家路に急ぐ姿を見ると、今学習している目的が達せられるよう、祈る気持ちになるのです。



 塾で学ぶ目的は、進学のため、学校での学習の遅れを取り戻すため、自分の居場所を求めるためなど、それぞれの理由があるのでしょう。ただ、学校以外の塾で学ばねばならない状況は、決して正常とは言えません。今回は、学校で、自分の力で学力をつけていく方策を考えたいと思います。



 塾へ行けば、家庭教師に頼れば、学力が増進するものと保護者は期待しているわけです。しかし、学習者本人が学習に興味を持ち、自らがやる気にならなければ、力はつきません。学習意欲を持たせることが肝要と、教師はいろいろと工夫をし、研究を重ね、実践しています。



 学習を進めるに当たって、読んで憶える子、文字に書いて憶える子、声を出すと憶えやすい子など、自分に合った憶え方があるのです。そのほかに、映像で見るとか、聴くのがよいという子もいます。「憶える」という行為ひとつ取っても、ひとり一人に違いがあるのです。教師はそういったことを承知して、試み、子供自身が自分の特性に気づくようにしていきます。



 学習意欲を持たせる方策も、誰もが同じやり方で成功するとは限りません。しかし、どんな子供も学習することに喜びを感じれば、やる気が起きてくるはずであります。この学習の喜び体験を重ねていくことが、学習意欲につながっていくのです。そこで学習時の喜びは、どんなことにあるのか考えなければなりません。



 人によって、どんな時に喜ぶかは異なりますが、一般的には「人に認められる」「思いが成就する」「人の役に立つ」ことと言われています。この観点から、子供が喜びを感じる学習のあり方を研究していくのが教師の仕事です。その具体的な学習を進める教師の工夫を、おおまかですが、次回に述べていきます。

 

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