人・農地プランを作成 検討会意見まとまる
高齢化や後継者不足、耕作放棄地などの「人と農地の問題」を解決し、地域農業を活性させる目的で、農林水産省が今年度4月に発表した「人・農地プラン(地域農業マスタープラン)」の作成事業。同事業に基づき秦野市でも市内の農業従事者らによる検討会が組織され、今年の2月にプランがまとめられた。今年度中の国への提出を目指し、市農産課が最終調整を行っている。
このプランは「人と農地の問題を解決するための未来の設計図」と位置づけられ、今後地域の中心となる経営体や生産品目など地域の農業のあり方を決めるもの。作成は来年度末までが期限となっている。
農作業の合間で進めるため、繁忙期を過ぎた秋頃から本格的に検討会が始められた。
検討会は各地域の農業代表者やJAはだの職員など21人、20代から70・80代まで広く集まり、地域農業の今後について話し合った。プランはJAはだのの支所ごと、計7つが作成された。
今まで市では地域農業の問題について地域で話し合う機会はなかったという。検討会に参加した市民からも「今までどうにかしたいという思いはあったものの、一農家に出来る範囲は限られていた。こうしたプランの作成は良い機会になった」など好意的な意見が上がったという。
プランを基にした助成施策も
国は特に就農者の増加と農地の集積を重要視し、作成されたプランを基に、若手就農者や農地集積協力者に対し助成などの施策を実施するという。
新規就農者の増加を目指して青年就農給付金に関し同課は「これまで農業塾などを通じ、技術や土地などの支援を行ってきたが、金銭的な補助には限界があった。やる気のある人が給付金を得て、より発展することが望ましい」と歓迎。
また、農地集積の補助に関しても「秦野に限らず、農家は農地を貸したがらない傾向が強かった。協力金の交付によって、農地の集積が進めやすくなるのでは」と期待している。
作成された秦野市の人・農地プランにはまだ課題があるという。「農地集積における国のプランは水田を中心にしたものですが、秦野の農地の多くは畑。農地集積問題を解決する道筋は独自プランを作る必要がある」と市は分析する。また「新規就農者の受け皿を作っても、どの地域で就農するかの誘導は難しく、偏りが出てくるかもしれない」という懸念もある。
プランは各自治体で随時見直すことが出来る。地域の農業従事者の1人は「農業は自然を相手にする。農業に答えがないようにプランの答えもない。農業が活性されたとしても話し合いは続けていかないと」と話した。
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