南小学校 長寿桜を後世に 接ぎ木などで苗を育成
南小学校校庭の樹齢130年と言われるソメイヨシノを後世に残そうと3月11日、同小の4年生児童181人が桜の木の保存活動に取り組んだ。
昨年創立120周年を迎えた南小学校の校庭に立つソメイヨシノ。この桜は1892年の創立記念で植えられたもの。校章や校歌にも組み込まれ、満開の桜の木の下でのお花見給食は恒例行事。南地区全体のシンボルの1つとして、地域から長年愛されてきた。
現在樹齢は約130年。通常80年ほどの「樹命」をはるかに超え、ソメイヨシノとしては国内2位の長寿桜だ。支柱設置工事や土壌改善などの延命治療が行われ、毎年花を咲かせ続けるが「以前より枝が減り、花も少なくなった」と森基夫校長。児童らも「台風の時は桜大丈夫かなって思っちゃう」と心配する。
かながわ名木100選にも指定された桜を守り残したいと教員から声が上がったのは昨年秋。桜の「主治医」を務める市内の樹木医、石井昇さんに相談し「挿し木・接ぎ木」の2つの方法で苗を育てる計画が立てられた。結果が分かるまで最低2年はかかるため、周年記念事業の一環として4年生が取り組むことになった。
作業当日は、風がまだ冷たいものの日差しが春を感じさせる晴天。児童らは「穂木」(ほぎ)と呼ばれるソメイヨシノの枝を挿し床に挿し、苗を育てる挿し木の作業を行った。石井さんやPTA運営委員会らが事前に準備した穂木を一本ずつ受け取った児童は、初めての作業に緊張しつつ、丁寧な手つきで挿し床に挿しこんでいった。挿し床は日の当たらない校舎の裏へ設置し、今後児童たちが管理していく予定だという。
ソメイヨシノの苗作りは特に難しく「100本に1本成功するか否か」だという。作業を終えた児童は「自分の刺した枝から花が咲くといいな」など期待を込めた表情で、まだつぼみの硬い桜の木を眺めていた。
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