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秦野版 公開:2013年3月21日 エリアトップへ

障害者支援で表彰 イランへ福祉機器を寄付

公開:2013年3月21日

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現地の言葉で「ミントの会」と書かれた額を持つパシャイさん(左)と妻のモスレヒさん
現地の言葉で「ミントの会」と書かれた額を持つパシャイさん(左)と妻のモスレヒさん

 県が他のモデルとなる実践的な活動団体を表彰する「ボランタリー活動奨励賞」に、市内に活動拠点を置き、車いすや介護ベッドなどの福祉機器をイランに無償で送っている「NPO法人イランの障害者を支援するミントの会(パシャイ・モハメッド理事長)」が選ばれた。

 イラン出身のパシャイさん(43)=南矢名在住=は約20年前に来日。日本人の親切さなどに「ハマってしまった」と話し、モノ作りが好きなパシャイさんはその後、市内で土木関係の仕事に就いたが、2004年、仕事中に高所から転落。さらに胸に660kgもの機械が落ち、意識不明の重体となった。奇跡的に一命はとりとめたが、事故の影響で下半身不随となり、現在も車いす生活をしている。

 日本でリハビリや生活の手助けをしてもらったパシャイさんは「自分の受けたことを誰かに返したい」と思い立ち、2006年から使われなくなった車いすや、介護ベッド、エアーマット等を業者や一般の人から引き取り、修理してイランの障害者へ送り続けている。

 イランの障害者支援は日本の水準と比べると低い。リハビリをほとんど受けず、自分の身体障害を良くわかっていないまま退院する人が多いという。また、電動車いすはイランの低所得者の年収に相当する額で、財産がなければ支援が受けられないのが現状だ。さらに、街中もバリアフリーの整備は進んでいないため、障害者の移動は大変だという。

 パシャイさんは2006年に、寝たきりで屋外の空気も吸えず、家族もどう介護していいかわからずにいた人に介護ベッドと車いすを送った。すると、起き上がることができ、車いすを使っての外出や食事、家族との会話など普通のことができるようになったという。

 また、障害が理由で2度自殺未遂を起こした人に機器を送ると、その人の考えががらりと変わり、今では明るく精力的に仕事に取り組んでいるという。

 その他、日本から医師や看護師とともにイランへ行き、現地の看護師が参加するワークショップで日本の介護を紹介したり、病院の協力で、リハビリのDVDを現地の言葉に訳し配布したりしている。また、バリアフリーが専門の大学講師に、イランの市役所や工事関係者に向けその重要性を説明してもらう等、母国の福祉充実に力を注いでいる。

 また、秦野市内のデイサービスで妻のモスレヒ・ファテメさんがイラン料理を振る舞うなど、文化交流にも一役買っている。

 パシャイさんは「活動をもっと広げてイランの障害者が街中どこでも行けるようにしたい」と今後の意気込みを話した。
 

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