シカゴ美術館で展覧会 銅版画家 浜西勝則さん
秦野市曽屋在住の銅版画家・浜西勝則さんの作品の展覧会が、10月12日から来年1月まで、アメリカのシカゴ美術館(The Art Institute of Chicago)で開催されている。開幕に合わせ浜西さんも訪米し、多くの美術愛好家や美術大学の学生などと交流した。
浜西さんの作品は、銅版画のメゾチントという技法を用いている。深い黒から浮かび上がるような細密な描写が特徴で、欧米にも多くのファンがいる。
展覧会が行われているシカゴ美術館はアメリカ三大美術館のひとつにも数えられ、開館から130年以上の伝統ある美術館だ。
浜西さんは、昨年4月のスミソニアン博物館(内ギャラリー)に続き、アメリカ屈指の美術館で2年連続の展覧会となった。
シカゴ美術館内のアジア館日本展示コーナーには約30点の作品が並べられている。そのほとんどは、浜西さんの作品のコレクター、ランディ夫妻が同美術館に寄贈したものだ。
「不思議な縁があるものですね」。長年の友人でもあるランディ夫妻と6年ぶり再会した浜西さんは、笑顔で振り返る。
出会いのきっかけは30年以上前。ランディさんがシカゴの古本屋で偶然手にした1冊に、浜西さんの作品が掲載されていたのだという。発行元の銀座のギャラリーを通じて問い合わせがあって以来、交流を続けてきた。
会場には展覧会のために、同美術館会員が購入寄贈した3枚組みの新作「Kimono―Four Seasons(着物―四季―)」も展示され、大きな注目を浴びた。
4枚の着物には四季折々の風景が、浜西さん独特の技法で色鮮やかに刷り上げられている。着物の柄として描かれている植物は、弘法山周辺を散歩している時に観察したものだという。
浜西さんは滞在中、同美術館に併設の美術大学でデモンストレーションも行った。実際にプレス機を使いながら日本の伝統技術の金箔刷り、蒔絵刷りなどを実演。刷り上った作品を見せると大きな歓声が上がったという。
浜西さんは「アメリカの中でも思い入れのあるシカゴで展覧会が開かれ、作家冥利に尽きます。これからも良い仕事をしなければと、あらためて思いました」と話した。
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