飯野正永さん 世界らん展で最優秀賞 2年ぶり2度目の快挙
2月23日(日)まで東京ドームで開催されている、日本を含む各国のランを一堂に集めた世界を代表するランの祭典「世界らん展日本大賞2014」(読売新聞社、NHKなど主催)で、(有)フローリストせきど(秦野市柳町)の飯野正永さん(32)がフラワーデザイン審査部門の最優秀賞を受賞した。飯野さんは同展で、2年ぶり2度目の最優秀賞受賞という快挙だ。
吉報は、仕入れで小田原の市場に行っていた2月14日、突然の電話でもたらされた。「2度の最優秀賞はないと思っていたので、受賞を知らされた時はただただ驚いた」と飯野さんは話す。
これまで国内の様々なコンクールに出展し、入選を果たしてきた飯野さん。受賞作品を「肩肘張らずにリラックスして作り上げていった」という。昨年秋のデッサン画審査を経て、構想6カ月以上。和の要素をふんだんに取り入れた作品は審査員から高評を得た。
もてなしの心 作品に込め
タイトルは「O・MO・TE・NA・SHI〜松・竹・梅と蘭による日本流のおもてなし〜」。昨年9月に決定した2020年の東京オリンピック開催に着想を得て、思い描いたデザインだという。五輪で世界から来る人々や、同展への各国からの来賓のことも考え、和の素材で世界をもてなすという心を作品に込めた。
円型にかたどられた花器には、下弦の月に見立てたシルエットを細いタケで表現し、アクセントにマツが伸びる。中央にはウメの枝が通り、枝の上には色とりどりのランの花が生けられ、和洋が融合した作品だ。
さらに、正面から手を差し伸べるかのように突き出して作られたアクリル水槽には水が張られ、水面にはウメの花と4色のランを使用した5色の輪が揺らめく。
飯野さんが最もこだわったのがこの水上の輪で、ランを一輪ずつ取り、水に浮くように軽くした。照明で照らされた水槽の下には、輪と水面の揺らめきの影が映し出され、作品から派生する空間にも演出を加えたという。同店の飯野婦美子社長も「作品の中に水を取り入れて動きを出したことや世界を意識したことが評価されたのでは」と話す。
飯野さんは「花でもてなすのが花業界の役目。自由にデザインできるコンクール等で研鑚を積み、そこで得たものをお客様にお届けする商品に活かしていきたい」と今後の抱負を語った。
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